彼岸旅館「逢曲時」VRChatイベントが何と漫画化へ!作者・千明太郎さんインタビュー

みなさんは彼岸旅館「逢曲時(おうまがとき)」というイベントをご存知ですか?

夕暮れの中に佇み、現世と常世の境に建つ死者の店であり、こちらに迷い込んでしまい訪れた人は、誘魅(いざなみ)という女中さんにおもてなしを受けながら、舞踊や芸などを見て楽しみ、お酒を飲んだり、お喋りを楽しんだりします……。

と、毎週金曜日の夜23時に始まる、そんなVRChatでも倍率が高く、中々入れないという屈指の人気店舗型イベントですが、こちらが何と同人誌として漫画化されることになりました。

漫画化プロジェクトにおいて制作・作画してくださっているのは千明太郎(VRC名:Taruross)さん(@Taruross_vrc)です。実は商業の漫画家さんでもあり、「魔王の娘、すごくチョロい。」や「機動絶記ガンダムSEQUEL」、を連載されていらっしゃいます。

おうまがときの入り口。フルスクラッチの和風ワールドは必見です。

一体どうしてそんな事になったのか、きっと気になる読者さんもいることと思います。
実は筆者も逢曲時の誘魅だったりしますが、つい最近まで、この企画を詳しく知りませんでした。
いやいや、中にいる人がそんな適当でいいのかと怒られそうではありますが、これではたしかに良くないとの思いからTarurossさんへのインタビューを決行!
その結果、とても興味深いお話が聞けましたのでぜひ御覧くださいませ。

実際のイベントの詳細などについては、以下の記事を参照してくださいね。

関連リンク
彼岸旅館「逢曲時」公式ホームページ
「逢曲時」X(Twitter)公式アカウント


★11月24日追記

逢曲時の漫画が11月24日(金)にいよいよ公開されました!
大ボリュームの70P 、ぜひご覧くださいね~!
漫画『逢曲時』第1~2話(無料&有料版)


逢曲時 漫画版 作者・千明太郎(Taruross)さんインタビュー!きっかけはまさかのサキュバス酒場

Tarurossさん。和服がとても良くお似合いです。

ーーそれではよろしくお願いします。まずはTarurossさんがVRChatを始めたきっかけを教えてください。

Taruross きっかけはYoutubeの動画なんですよ。ミスターVRさんの「サキュバス酒場へ行ってみた」っていうのを見たんです。

ーーいきなりサキュバス酒場ですか(笑)

Taruross 昔からVRには興味あったんです。PSVRできれいなお姉さんがポールダンスをしてくれるゲームがすごい好きだったんですけど、解像度が低くて(笑)。
それが非常に不満で、技術の進化が待たれるなーと思って5年位待っていたんです。それで、ちょうど今年の4月に見たのがそのサキュバス酒場の動画だったんですよ。

Taruross もうその動画見て、あ、もうVRの時代きてるじゃん!画質良くなってるって思って。すぐにPico4を買いました。

動画見てからすぐ注文して、2日後に届いたので、JPチュートリアルワールドへ行って操作方法とか勉強して、そこで出会った人に「サキュバス酒場って、どう行ったらいいんですか」って聞いたりして、お店の入り方を教えてもらって、4日後にはもうお店に行ってました。

逢曲時での一枚。イベントの最後はいつもみんなで記念撮影をします。


ーー始めて4日後!すごい行動力だ(笑)

Taruross 初めてでしたが運よくjoin出来ましてね、一人で参加して来ました。
店員さんに話したらすごく驚かれました(笑)
それでサキュバス酒場で出会った人に、良いイベントが他にもあるんですよって聞いたのが逢曲時だったんです。

ーーそれで逢曲時にきたんですね。

Taruross はい。逢曲時に行けたのが、サキュバス酒場に行ってから6週間後でしたね。ずっとRequest Inviteの抽選が外れて、「今週もダメだった…。」と毎週涙してました(笑)その間知り合った方に待機場なんていう場所も教えて頂き、行けなくてもそこでワイワイやっていて楽しかったですね。

圧倒された「逢曲時」の世界観と「異世界転生」

Taruross それで、やっと行けたら何もかもがすごくて。ワールドの建物や女中さんとか芸者さんとかね、「異世界に迷い込んだ感」が本当に体験出来て楽しかったですね。VRCならではでしたね。

ーーそれから漫画化に至った経緯っていうのをお聞きしてもいいですか?

Taruross 最初は、ただの一般ユーザーでしたし、僕が漫画家っていうのはあまり公言はしていなかったのですが、ある時自分が漫画家であると知った誘魅さんが自分の手を引き、常世さん(逢曲時の女将:sara azuraさん)に会わせてくれたんですね。そこで逢曲時の設定などを色々お聞きしたら、もう設定が大変魅力的でしたので、これは自分も創作したいな、漫画描きたいなって思いましてね。自分も関わらせてくれと頼みました。

Taruross 今人気のジャンルで、異世界転生ってあるじゃないですか。僕は逢曲時って異世界転生だと思うんですよ。常世というあの世とこの世の狭間にある世界に行って、おもてなしを受け、芸を見て楽しんで帰るっていう。これもう異世界転生を体験出来るじゃないですか。

ーー確かに!言われてみればそうですね。

Taruross これもう漫画で描いたときに、漫画の中で出てくる登場人物達、実はみんなこの子達に会いに行けるんですよ、って。この漫画フィクションって書いてはあるんですけど、実は会いに行ける。

Taruross 一部オリジナルキャラとかも入れてますけど、フィクションじゃないんですよ。読者さんがこの作品を読んだ後、面白いなーこの作品、本当にあったら行ってみたいな―、自分も体験してみたいなー、この誘魅さんに会ってみたいな―って思うじゃないですか。そしたら最後のページに書いてあるんですよ。「あなたもこの世界にいけますよ」って(笑)

Taruross  そう、行けるんですよ! 体験できるんですよ! この誘魅さんに会えるんですよ! VRChatに入れば!他の今までの作品でしたら、その作品のコラボカフェとかイベントとかで作品に浸るなんていう遊びはあったと思いますが、まさか作品の世界をそのまま体験出来るというのは前代未聞で初めてではないかなと思うんですよね(笑)

ーー漫画を読んで、実際に会いに行けるっていうのは斬新ですね。

Taruross 僕がオリジナルで作品を描くわけではないのと、いまちょっと商業2作連載持っているのでスケジュールとかきっちり出来る自信がなかったので、とりあえず同人で個人出版でやってみようと思いました。

ーー誘魅さんっていますごくたくさんいるじゃないですか。今、私の知ってる限り100人近くはいると思うんですけど、出演キャラの選抜とか大変じゃないですか?描く際に気をつけてる事とか、なにかあるんでしょうか?

Taruross 多分皆さんこのイベントを楽しんでると、和やかに誘魅さんに接待してもらいお喋りして楽しかったなって良い思い出だけが残っている。でも逢曲時って旅館だけど実際にはあれなんですよ。ホラーな部分があると思っていて、要するにあそこに行くとだんだん魂を削られるっていうか。

ーーはい、死者のお店ですからね

Taruross 何度も行って常連になってしまうと、もう魂削られすぎちゃって人間界に戻れなくなってしまうと、連れて行かれる設定があるんですよ。あのお店良かったな、また行きたいなと思ってたら気づいたら行っちゃってて、どんどんどんどん帰れない人になってしまう。

そういう怖さみたいな部分を出していけたらいいな、と思ってます。
まずは僕の考えるストーリー展開に必要なキャラクターの方に合致している方を探して選んで描いてます。あとは話の内容で、ちょっとキツイかな…とか、その人のイメージからそれるかもしれないなー…ってことが発生したときに、個別にラフをお見せして相談して確認をとってます。

気になる漫画はBoothで発売予定!1話と2話は無料で公開

ーー同人誌のかたちで出されるということなんですが、販売形式はどういう感じになるんですか?紙の本とか?実はどうなるのか私全然知らないんですけど(笑)

Taruross 漫画はBoothで販売を想定してます。1話と2話は無料で公開を予定してますが…実はちょっとグロ表現があります関係で、無料版にはないR18の有料版も一緒に販売する予定です。その後は基本的には有料で描いていこうと思います。一部宣伝で無料で公開する部分はあると思います。冒頭1話の25ページはもう描けてまして、現在は後半の2話を描いてます。

ーーバーチャルライフマガジンを読んでる皆さんへ一言お願いします。

Taruross はい。漫画「逢曲時」は11月中旬には公開できるよう作業を進めてます。出来ましたらぜひ読んで頂いて、イベントに興味を持って頂いて、ヘッドマウントディスプレイとPCとグラボ買ってVRChatに入って頂き、逢曲時のイベントに参加してみてください!そしたら僕もにっこり、Saraさんもにっこりみたいな(笑)

ーー私もにっこりですよ(笑)

Taruross そうそう、みんながウィンウィンになるっていうんで、ぜひ公開されたらよろしくお願いします(笑)

どうもありがとうございました!
驚きのプロジェクト、今後の展開が楽しみですね~!