こんにちは。突然ですが、VRクラブイベントに行ったことはありますか?
普段フレンドとの雑談やゲームをメインにVRChat を楽しんでいる方であれば、意外と聞き馴染みがないタイプのイベントかもれません。しかし、VRChat では毎晩様々なクラブイベントが開催されているんです。
今回はそんなVRChat 内に数多あるクラブイベントの中から、「雑ボカ」というイベントをご紹介したいと思います。もしかしたらVRChat の新しい楽しみ方が発見できるかもしれませんよ!
目次
今回のメンバー紹介
今回はイベント紹介を兼ねたインタビューということで4人のメンバーが集まりました。
1人目:ゆーいぢ
雑ボカ主催。中学生でボカロと出会い、ニコ動漬けの高校時代を過ごす。ボカロP「ツミキ」に出会って衝撃を受ける。VRChatでDJをはじめ、様々なイベントに参加す中で音楽への興味を広げている(現在進行形)
推しボカロPは・駄菓子O型・Saku・___natural(敬称略)など
2人目:ゆーてる
バーチャルライフマガジン編集長代理。音楽とは縁遠い幼少期を過ごし、音楽の授業の時に学校から脱走した経験がある。
推しボカロPは・ピノキオP・Neru・稲葉曇(敬称略)など
3人目:nusa
VR音楽ライター。家族の影響で幼少期からバイオリンを弾くなど、音楽と触れ合いながら過ごす。中学2年生で、じん(自然の敵P)の「想像フォレスト」からボカロを知り、高校生の頃にはハマりすぎてスマホを没収された。大学生時代には再びボカロ、ニコ動にハマり、Vocanoteというnoteでの企画でボカロ曲を紹介記事を書くなど、ボーカロイド文化に精通している。今回は有識者枠として参加。
推しボカロPは・バターサンド・もちもちウサギパレード・ざぶとん(敬称略)など
4人目:立花シキミ
本記事の筆者。「雑ボカ」スタッフ兼バーチャルライフマガジンライター。幼少期から音楽が好きで、ボカロも聴いて育った。大学時代にはバンドマンだったが、VRChat に来てからDJを始めた。まだまだ初心者。
推しボカロPは・青屋夏生・BIG HEAD・トーマ(敬称略)など
雑ボカについて
雑ボカってどんなイベント?
そもそもVRクラブイベント(VRDJイベント)とは、TopazChatなどの配信サービスを利用してVRChat 内でDJが配信する音楽をみんなで聴くというタイプのイベントで、テクノポップやアニソン、ゲームミュージックなど、イベントごとにジャンルが統一されていることが多いです。(もちろん、オールジャンルイベントと呼ばれる、どんな曲を流すか各DJに一任されているイベントもありますよ)
雑ボカ、正式名称「雑ボカ。~雑にボカロ曲をかけれる会~」は毎回4人ほどのDJが出演し、大体5割以上がボカロ(VOCALOID, UTAU, CeVIO A.I.VOICEをはじめとする、合成音声ソフト)による楽曲を流すという比較的緩いルールを守れば、雑多に様々な曲をかけられる半オールジャンルのクラブイベントです。
なんでボカロ曲メインのイベントをやろうと思ったの?
新型コロナウイルス感染拡大で外に出れない時期に、御丹宮くるみさんというボカロオタクのVtuberの方がVRChatでボカロのクラブイベントをやるって聞いて、来てみたら楽しかったんですよね。
それで、クラブイベントへ音楽を聴きに行くうちに、自分でもDJやりたいな~っていう気持ちが高まって、「DJなんもわからん」というイベントでDJデビューしました。当時はボーカロイド曲メインのイベントを「ボカぶい( VRでもボカクラに行きたいっ!)」しか知らなかったので、いっそ自分でボカロ曲をかけられるイベントを企画するか~と思ったわけです。
もともとボカロをメインにしたクラブイベントは他にも複数あったんだけど、ちょうどゆーいぢ君がDJを始めた時期はそういったイベントが少なくなってた時期なんだよね。
なるほど・・・!元からボカロを聴けるイベントは色々あったんですね!ただ、自分がかけたい曲をかけられるイベントが無いから自分で企画してしまおうっていうのが実現できるのが如何にもVRChat っぽくていいですよね
VRChatって何か新しいことを始めるのにすごくいい環境ですよね
VRChat を始めなければ全く知りえなかったことに精通してる人が身近に沢山いますし、皆が各々の好きなものを追求してるがゆえに、他の人が好きなものを追求することに寛容な環境があると思いますね。
クラブミュージックで「ボカロ」??
ところで、一般的にイメージされる「クラブミュージック」っていう感じの音楽とボーカロイド楽曲って乖離がある気がするんですが、どうしてボカロメインのイベントを企画されたんですか?
理由は単純で、ボカロしか造形が深いと思える音楽ジャンルを知らなかったんです。せっかくDJをやるなら好きなジャンルの曲でやりたいですよね。
あとは、今のVRChat ユーザーの世代的に、大体の人が少なからずボカロ音楽に触れてるんじゃないかと思っています。普段全くクラブとかには行かないVRChat ユーザーの人が、「ボカロだから」って理由で来てみて、クラブイベントの楽しさに触れてもらえたら嬉しいなっていう気持ちもあります。
余談ですが、最近EDMっぽいボカロ曲の流行がより強まって来ていたり、ボカロPの人たちがDJをやるようなケースもすごく増えています。今後VRにもそういった人たちが参入してくるんじゃないかな~とも思っています。
元々の好みもありつつ、タイミングとしても丁度よかったんですね!
正直、クラブって怖いところ!?
クラブってなんか「怖いところ」っていうイメージありませんか?
話は少し変わって、ここからは一般的な「クラブ」の話になるんですが、
私自身VRクラブイベントによく行きますし、リアルでもクラブに行ったりするんですけど、最初の頃はクラブって怖いところっていうイメージありませんでしたか?
分かります。リアルクラブでも所謂オタク向けのイベントが主だから正直実態は分からないんですが、ナンパするところっていうイメージは未だにありますね。
でもまぁ一口にクラブといっても、場所やイベントによって雰囲気は全然違っていて、初めてクラブ行ったときは想像していたよりも全然怖くなくて楽しめましたね。漫画やアニメ、ゲームなんかの創作物で描かれるクラブって大体アングラで怖いものとして描かれるから、悪いイメージが先行してる感じはします。
リアルのクラブに行くことはありますけど、場所によっては、暗くて、うるさくて照明が眩しくて、その場の雰囲気というか、ノリで楽しもう!みたいな雰囲気があって怖いところはありますよね。その場の雰囲気とかではなく、純粋に音楽を楽しむ場所っていうイメージはVRChatに来てから感じました。
クラブに本格的に来たのはVRChatが初めてだったんですが、一般的なコンサートと違って普通に酔っ払いがいるのは怖かったですね。リアルですごく小規模なボカロメインのクラブに行って、純粋に音楽を楽しんでる人ばっかりのイベントを経験したことで怖さが薄れた感じがします。
皆さんと話していて分かったんですが、クラブイベントに頻繁に参加する人でもクラブが怖いところっていうイメージは一定あるんですね。
ただ、実際には、一口にクラブイベントといっても本当に様々な種類のイベントがあって、普通のライブのような感覚で楽しめるクラブイベントもありますし、VRChatではそういったライブ感覚で音楽を楽しめるイベントがほとんどだと思います。
リアルでは音楽をメインに楽しむクラブを「音箱」コミュニケーションやナンパなんかを目的に楽しむクラブを「チャラ箱・ナンパ箱」などといって区別することがあるのですが、
この分類でいうとVRChatのクラブイベントは「音箱」に分類されるようなものが非常に多いという印象ですね。
一方でクラブに馴染みのない人の多くが抱く「クラブ=お酒を飲んで人とのコミュニケーションやその場のノリを楽しむ場所=何となく自分とは縁遠い・怖い」というイメージはこうした「チャラ箱・ナンパ箱」のイメージを更に創作物向けに誇張し、デフォルメしたものである場合が多いのかなぁと思います。
※勿論、「チャラ箱・ナンパ箱」と呼ばれるクラブでも音楽を楽しむ人も居ますし、実際に怖い経験をすることは滅多にないと思います。こうした呼称は一般的な客層や雰囲気によって何となくクラブを分類しているだけの話であり、「音箱」は安全で、「チャラ箱・ナンパ箱」が危険というわけでもありませんし、当然ながらそこに優劣があるわけでもありません。それに、同じクラブであっても、イベントや時間帯などによって雰囲気がガラリと変わることも多々あります。
VRクラブはクラブを初めて体験するのに最適かも
みんな、最初はクラブってなんか怖いところなのかもな~と思いつつも、実際にクラブイベントに参加してみて、そこで楽しめたのでクラブイベントに参加するようになっていった感じですよね。
クラブ=怖い、みたいなイメージってクラブが未知のものだからだと思うんですよね。閉鎖空間で、基本的に外から何をやってるか見えないですし、そんな状態でお金払ってイベントに参加するってかなりハードルが高いと思います。
だから一回参加してしまえば怖いとかのイメージは払拭して楽しめるんじゃないですかね
その点VRChat のクラブイベントってふらりと訪れてみるハードルは低いですよね
そうですね。VRクラブってタダですし、アバターは美少女が多いし、酔っ払いの人と接触事故が起こるとかの物理的な危険が及ぶ可能性もないですしね。なのでVRChat からクラブイベントに参加するようになったっていう人は多いですよ。リアルのクラブには行ったこともないけどVRChatではDJをやってる。なんて人も全然いますね。
個人的には、クラブイベントに行って、かかっている音源をBGMにして作業をすることもありますね。
確かにリアルのクラブイベントに行って作業はできないですもんね笑
でも確かにVRのクラブイベントってほかの参加者と交流したりしなくても、音楽を聴いてるだけもいいし、楽しみ方の多様性を認めてくれますよね。
一般的なクラブのイメージより、むしろコミュニケーションちょっと苦手だなって人にすごく優しいというか。
別にBGM代わりに聴いてても勿論問題ないし、ノリが合わないな~と思ったらいつ抜けたっていいんですよね。
ただまぁ、思いきって人の輪に入っちゃえばより楽しいと思います。知ってる曲でみんなとはしゃげるのってすごく楽しいので。
分かります、それに、他の参加者と交流したいときにも、「今流れてる曲」っていう話題が絶対にあるのも助かるんですよね。
今後のイベントについて
今後「雑ボカ」をどんな感じのイベントにしていきたいかっていう、方針や目標などありますか?
雑ボカは、半分がボカロ曲っていうゆるい縛りでやっているクラブイベントなので、ボカロじゃない曲が流れるときもよくあります。
なので知ってるボカロ曲や知らないボカロ曲、そしてボカロ以外のジャンルに出会える場所になれればいいな~と思っています。
そして他のクラブイベントにも行ってみるキッカケになるとより良いですね。色々クラブイベを楽しんでもらって、気が向いたら「雑ボカ」に戻ってきてくれると嬉しいです。
音楽イベントを紹介するイベントカレンダーもあるので、そういうのを見ればいろんな音楽イベントを見つけられると思います。
あと、自分自身の気持ちとしては、イベントの運営自体もそんなゆるい感じで、いつも通りをいつものように続けていけたらいいな~って思ってます。自分のキャパシティの中で、あまり無理をせず長く続けていけたらな~って感じですね。
ただ、今後の展望としては、リアルとVRの垣根が緩やかに混ざり合っていけばいいなっていうのは思っています。簡単に遊びに行けるところがVRのいいところなので、この感じは維持しつつ、リアルにはリアルの良さがあるので、リアルのイベントとVRでのイベントを緩やかに人が行き来する間口になれれば素敵ですね。
※音楽イベントカレンダーのTwitterアカウントはこちら
VRC Music Event Calendar連絡用bot
では、最後になんですが、これから「雑ボカ」あるいはクラブイベントに来る人に何か一言お願いします
本当に一度でいいので気軽に来てみてほしいですね。BGMとして聴くだけでもいいし、雰囲気が合わなければ抜けても全く問題ないです。正直、クラブイベント自体合わない人もいると思いますし。ただ同じくらい、クラブイベントにとことんハマる人も居ると思うので、まずは一度体験してみて欲しいです。人によっては初めてVRをしたときの衝撃と同じくらいのものが体験できるはず。ぜひお待ちしてます。
あ、あとイベントに参加するために主催者の人にフレンド申請をするときは、何でもいいので、自分が人間であることをアピールするための文言を入れといてもらえると喜ばれます。botやスパムとかの可能性もあるかもしれないので・・・。
最後に、みんなボカロを聴け~~!!!ボカコレをチェックしろ~~!!!ニコニコ動画を見ろ~~!!!
というわけで「雑ボカ」インタビューでした。今回は貴重なお時間を頂きありがとうございました!
今後のイベントの告知などはゆーいぢさんのTwitterからチェックできます。また、VRChatのグループもあり、そちらからもイベントの開催情報を受け取ることができますよ!
ちなみに次回開催は6/9日 21:00~、アニソンRemix楽曲のイベント「XIMER-A」とコラボした特別回になります。ゆーいぢさんまたは各DJにjoinすれば参加できます!
クラブイベントって何となく敷居が・・・。と思っておられる方も多いのではないかと思いますが、実はVRChat はすごくクラブイベントを体験しやすい場所なんですよ。
誰しも最初はクラブイベント初心者。おっかなびっくり足を運んでいるものです。
是非一度思い切ってクラブイベントに足を踏み入れてみては?
Twitter:https://twitter.com/u1_mas
VRchatアカウント:https://t.co/QdJU7FSmQS
ゆーいぢの情報が通知されるグループ:https://t.co/Q1JllfPEDB
投稿者プロフィール
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VR空間のレビューを主にやります。
デザインと音楽が好き。
もちろん全部ボカロ曲を流してもいいし、リミックスでもOK。棒読みちゃんやVOICEROIDなど、歌唱用途ではないソフトを使って作られた曲なども、うちのイベントではいわゆる「ボカロ曲」として扱ってます。