『石見神楽メタバース化PJ』を見て島根県に行った人による島根県観光案内!【前編】

皆さんは『島根県』と聞いて何を思い浮かべますか?

まず『鳥取県』とどっちだっけ?という場所の話、そして『出雲大社』この2つが定番でしょうか。それ以外の話となると、あまり出てこない人が多いかもしれませんが、実は最近VRChatでも『石見神楽メタバース化PJ』のワールドが公開されており、島根県が話題です。

筆者も『石見神楽メタバース化PJ』のワールドを訪問し、VRChatで見る『石見神楽』に心を動かされ、『石見神楽』を現地まで見に行きたくなってしまいました。

そこで、鳥取に6年、岡山に3年住んでいる中国地方VRChatterの私が島根県のオススメスポットを巡りつつ、現地で見た『石見神楽』をレポートします。

本記事ではその前編として、島根県の観光地を巡りながら、石見神楽の紹介を行っていきます。

①島根県への行き方

1:飛行機

島根県には『出雲縁結び空港』『萩・石見空港』の2つの空港があります。鳥取県の『米子鬼太郎空港』も近く、それぞれに東京(羽田)からの便があります。『江津市(ごうつし)』『出雲縁結び空港』より若干『萩・石見空港』に近いですが、『出雲縁結び空港』の方が日本国内の主要都市からの便が多く、ここからレンタカーや公共交通機関を用いるのがおすすめです。

画像は交通アクセス|しまね観光ナビ|島根県公式観光情報サイトより

2:鉄道

『江津市』のある島根県の中部は鉄道で行くにはかなり遠いです。本州の中で一番東京から時間がかかる場所で『東京から一番遠い場所』とも言われています。その中で一番速い行き方は新幹線で岡山まで行った後に、岡山から特急『やくも』、そして出雲市から『スーパーおき』『スーパーまつかぜ』に乗る経路、これでも合計7時間程度かかります。
山口より西の方から来る方は新幹線で新山口駅まで来た後に『スーパーおき』に乗り換えるのが楽です。

画像は交通アクセス|しまね観光ナビ|島根県公式観光情報サイトより

筆者おすすめのルートは寝台特急『サンライズエクスプレス出雲』を使うルート。東京を夜21時50分に出発する夜行列車に乗り込めば、翌朝10時には出雲市に到着できます。ここから乗り継ぐと江津駅には12時ごろに到着できます。合計14時間ほどかかる『東京から一番遠い場所』への行き方です。

3:夜行バス・自家用車

出雲市までは全国各地から高速バスが出ています。東京からは約12時間、そして出雲市から乗り継いで……という感じになります。
出雲市〜江津は特急列車で約1時間、普通列車で1時間半です。自動車だと1時間ちょっとくらいでした。

②島根県の観光地

かなりたくさんありますが、島根県の東部から紹介してみようと思います。

美保(松江市):明治31年に建てられた灯台、美保の町にある美保神社や港、明治時代の木造建築などがあります。

『ベタ踏み坂』(松江市):CMで有名なベタ踏み坂も実は島根、ここから中海(汽水湖)の中心を走る堤防道路は左右に水面が見えて幻想的です。

松江市:島根県の県庁所在地、現存12天守の『松江城』は国宝となっています。小説家『小泉八雲』の旧家や『松江しんじ湖温泉』『玉造温泉』なども近いです。

出雲市:神の国と紹介される一番の名所です。『出雲そば』も島根県東部を中心に味わうことができます。

大田市:世界遺産『石見銀山』は実は大田市です。個人的なオススメは『温泉津(ゆのつ)』。銀山で採れた銀を輸出する港として栄えた一方、その名の通りレトロな温泉があります。

江津市:今回の『石見神楽メタバース化PJ』のメインです。筆者は江の川沿いに走っていた『三江線(さんこうせん)』が廃線になる前に乗ったことがあり、江津駅を利用したことがあります。

浜田市:山陰本線の『折居駅』のすぐ近くにある踏切がVOCALOID楽曲『少女レイ』のイラストの舞台になっていて、実は見かけたことがある人が多い場所です。

益田市:島根県西部の中心地として古くから栄えた町です。飛鳥時代の歌人『柿本人麻呂』にゆかりの地として知られています。

津和野町:観光列車『SLやまぐち号』の終点として、山口県によく間違われる島根県最西部の町です。小京都として知られ、森鴎外など多くの偉人にゆかりの地となっています。

③『石見神楽』を見に行こう

ではまず、東京駅から寝台特急に乗り込みます。せっかく東京から一番遠い所に行くのですから、旅情を感じる方法で島根県に乗り込みます。今回の旅行は、最近できたハッシュタグ『#MRPhoto』を用いるため、スマホアプリ『fumifumi』で加工した写真を使用して紹介してみます。

翌朝6時半に起きるとそこは岡山駅、UDONを食べに行く高松行の列車と別れて、サンライズエクスプレス出雲号は神話の国を目指します

出雲市に着いたら早速乗り換え、一旦改札を出て、少し歩けば出雲大社行の電車が停まる駅が見えてきます。

やってきたのは一畑電鉄のオレンジ色の電車、もともと東京で走っていた電車のようです。出雲大社前の駅までは約30分、駅から歩いて約15分、いよいよ『出雲大社』の拝殿が見えてきます。『出雲大社』の特別なところは『二礼二拍手一礼』ではなくて『二礼四拍手一礼』なところ。なんか格別な感じがします。
境内にはあちこちにウサギの石像が……もともと因幡の白兎伝説なども近い場所(鳥取県)であり、そういった縁で多かったようです。ちなみに出雲は日本酒発祥の地でもあるそうで、ふと足を止めて眺めてしまいました。

ここぐらいでちょうどお昼時になったので、出雲といえばお馴染みの『出雲そば』
よく見かける出雲そばは3段くらいの割子そばですが、今回はなんと『釜揚げそば』。蕎麦のゆで汁ごと提供する出雲の釜揚げそばは、啜るのではなく噛むそばとも言われ、他ではあまり見かけない食べ方をします。今までに無いそばの食感でしたが、とても美味しかったです。

腹ごしらえを終えたところで、いよいよ島根県の中西部へ向かっていきます。というわけで訪れたのが浜田市のとある踏切。VRChatのワールドでも似たワールドがありますが、VOCALOID楽曲『少女レイ』のモデルになった踏切です。『折居駅』の近くにあり、思い出を記す駅ノートには全国各地から聖地巡礼をしに来たコメントが書かれていました。

折居駅から引き返すように走って1時間弱、江津市の中でも一番の絶景が眺められる『石見大崎鼻灯台』へやってきました。駐車場から急坂を上るのはなかなか大変でしたが、15分ほど歩くと絶景の展望台にたどり着きます。北西方向には江津市の中心部、後ろを振り返れば江津市波子から浜田市方向の景色が見れます。日本海沿岸は曇りが多いのですが、この日は晴れで海も穏やかと絶好の灯台日和でした。

灯台で少し休憩してから運転すること40分ほど、今回のお宿(ゲストハウスkazeto)に到着しました。宿泊地は私が島根県で一番好きな温泉、『温泉津温泉(ゆのつおんせん)』です。江戸時代からの町割りがそのまま残る古い温泉街ですが、世界遺産『石見銀山遺跡とその文化的景観』の中にある『世界遺産の温泉』です。日本温泉協会が『オール5』のランクをつけた、非常に濃いナトリウム系の塩化物泉が源泉かけ流しになっています。飲泉もできる温泉津温泉の味はまるで血液のような濃さで、1300年間も湯治の湯として続いているのも納得です。

さて、温泉で体を清めたところでちょうど19時ごろ、今回のメインである『石見神楽』を見に温泉津地区にある『龍御前神社』へ向かいます。

石見神楽の予習

いよいよ本番……!の前に、VRChatで予習をしておきましょう。

『石見神楽』は神の国出雲で神に捧げる奉納の舞として、島根県石見地方に残る伝統芸能です。日本神話や伝説を題材にした壮大な物語を舞台に、力強く迫力ある舞と煌びやかな衣装に、軽快でテンポが速い囃子が特徴です。40〜50分程度の演目が約30ほどあり、神話を立体的に間近に楽しむことができます。定番の演目としては『大蛇(オロチ)』『恵比須(えびす)』『鐘馗(しょうき)』『塵輪(じんりん)』などがあるようです。

島根県江津市では、この石見神楽の原型でより儀式的な『大元神楽(おおもとかぐら)』も伝承されており、これらの神楽を見比べるのも楽しみ方の一つです。

『石見神楽メタバース化PJ』ではこのうち『鐘馗(しょうき)』の演目で『鐘馗(しょうき)』『疫神(えきしん)』が着用する衣装が配布されます。しかもなんとBOOTHで無料配布!『江津市』を知ってもらうためとはいえ大盤振る舞いです。現地までわざわざ衣装を細かに撮影したテクスチャも使用されており、クオリティは確かなもの。対応アバターも大丸松坂屋アバターの他に『しなの』『森羅』『狛乃』『ドラゴニュート・ヴラウ』といったアバターに対応しています。

これらのコンテンツが楽しめるVRChat内ワールド『島根県江津市石見神楽『大蛇』/Gotsu City, Shimane Prefecture IWAMI KAGURA “OROCHI”』が5月28日から公開されています。

では、次の記事でいよいよ本場の『石見神楽』を見に行きます。

投稿者プロフィール

nusa
nusa
VR音楽イベントに出没するリスナーです。

好きな音のなるほうへ、気ままにVR生活を楽しんでいます。