VR対談:バーチャルルネサンスへの憧れ ~VRSNSに求める希望~

前回の記事の閲覧数が多かったため、調子に乗ったオーエンはまた対談企画をすることにした!
今回は我らがバーチャルライフマガジン編集長「みつあみやぎこさん」をお迎えしておしゃべりします。
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オーエン

本日はよろしくお願いします!

やぎこ

よろしくお願いします、そんな編集長なんて言うたいそうなものでもないのですが💦

オーエン

いやいやw実際我らが編集長じゃないですか!

オーエン

対談って「対談をしている人たちの人となりが分かる」ところが魅力かなと思っているので最初は雑談ベースで話したいと思います。

やぎこ

お互いにコンテンツがあるので、自然と出る話題の方が面白いかなと私も思います。

オーエン

ですね!でも実は僕はやぎこさんのことを「かわいいバーチャルマガジン編集長」「よいかみさん大好き」以外良く知らないんですよね。

やぎこ

ダンスやってらっしゃるよいかみさんね(笑)VRの可能性をダンスと言う形で体現してる方ですね。

オーエン

あまりピンと着てないのですが、どこにダンス⇒VRの可能性を感じるんですかね?

やぎこ

音楽イベントって一緒の音楽聞きながら身体を動かしたりとか、文字や言葉を超えたコミュニケーションが取れるのが魅力なわけで、そこで身体を自由に動かせるVRっていうデバイスがめっちゃ相性がいいんですよ。

オーエン

確かに音楽も肌で感じたり体感する物なんですけど、音楽単体でVRならではって少ないと思うんですよね・・・
そうなると、やはり「体を動かす」「ボディーランゲージによるコミュニケーション」っていうのがVRと相性がいいっていう理解になるんですけどあってますかね?

やぎこ

そうですね、音楽単体ですとやはりヘッドホンで聞くのと何が違うの?って感じだと思うんですけど、言葉にしがたいんですけど“場の空気感”っていうのは確実にありますよね。ちょっと抽象的だけど、空間の中に漂う空気と言いうか、熱みたいなものを共有できるんですよ

オーエン

確かにその場にいる一体感というか「仲間意識」というのが魅力というのは分かります・・・

お話を聞いていますと、やぎこさんは表現について「コミュニケーションのツールであること」を重要視されてるように感じたのですがどうでしょうか?

やぎこ

確かに、オーエンさんが仰ってる通り、私は「コミュニケーションのツール」を大事だと思っていて、それはVRSNSの本質はコミュニケーションだと思うからです。

オーエン

「VRSNSの本質」ですか・・・いいワードが出てきましたね!今日はこのワードを掘り下げた生きたいと思います。



『VRSNSの本質って何だろう?』

オーエン

現在のVRCないではVRを表現する言葉として「もう一つの現実」とか「なりたい自分になれる世界」とか言うのが聞こえますが、やぎこさんとしてはどう思っていますか?

やぎこ

よく言われるワードですね。まぁこれは我々みたいなVRという世界にどっぷりつかってる人間が一番肌になじむ言葉で、SF小説や映画なんかでは仮想現実とかVRっていうものはそんなような世界観として描かれていますよね。

SF小説を例えに出しましたけど、レディ―プレイヤーワンだったら冴えない少年が仮想空間の中ではイケメンのスターだったりとか、漫画だと最近はVRおじさんの恋愛…でしたっけ、現実では冴えない中年男性だけど、仮想空間では美少女で、仮想空間で恋愛を通して人間的な成長のようなものを得ていくみたいな…。

オーエン

「成長のようなものを得ていく」・・・重要な考え方だと思います。

VRの中は見た目も変えれるので現実だとしにくい体験や立場に立つことができるので「成長」っていうのにつながりやすいってことですかね?

やぎこ

まさしくそうですね。見た目が自由に変えれるっていうのはすごくおおきなポイントで、現実では中年の男性が青春時代のような恋愛を送るのって難しいじゃないですか。
勇夢さんがnoteで書いてましたけど、VR SNSの魅力は青春だって言ってまして、それってある種人生のやり直しなんですよね。
青春時代に出来なかったものを仮想空間でもう1度やり直す、みたいな。
それには見た目も変わる必要性があって、姿がいくらでも変えられる仮想空間っていうのは、心理学的な意味合いで言うならば『育てなおし』的な要素を持っているのかなと。
それが『もう1つの現実』とか『なりたい自分』というキーワードにつながっていくのかな。

オーエン

おー!「やり直せる」っていうのは僕もバーチャルの魅力の本質だなと感じているところです。
それを「育てなおし」と表現されるのがすごく面白いですね!
やぎこさんの中で「成長」というものに対する価値というか、特別感を感じられます。

やぎこ

そうですね、やり直せる、また生まれ変わって成長できる、っていうのがVR、広義で言うと仮想空間の魅力的な所であって。僕自身もそこに魅力を感じてるからどっぷりはまっている訳で、おそらくVR SNSで遊んでる人っていうのもそこに魅力を感じてるんじゃないかな。
現実では立てないステージで成長したいと感じてる。

オーエン

なるほど、VRSNSの本質が「成長の機会」ということですよね。
確かに(Vtuberを含んだ)バーチャル世界の本質としては大体僕も同感です、
ただ、「VRSNS」特にここの読者には利用している人が多いVRCではもう少し違う側面があるのかなと感じています。

VRCで顕著なのですが、お互いのしたことについて仲間内で肯定しあう文化がるんですよね、これによって「肯定的なアイデンティティの獲得」が起こっていて、実はそれが生まれて初めての体験の人が多いという印象があるんです。

やぎこ

あぁ、そうですね。そう言われれば確かに。VR SNSもいくつか種類がありますけど、そういう傾向があるのってVRCが一番顕著に現れてますね。rec roomとかamberとかにはないオタクの空気感というか。90年代のインターネットの空気、フラッシュ動画ですとかニコニコ動画黎明期の雰囲気を強く感じますよね。
何かを作って、それが認められることが嬉しいっていうのに魅力を感じているからこそクリエイターさんの集い場みたいになってて。作品や表現を通して認められる、自分という存在が認められる、という体験から肯定された自分というある種の自我を確立できて、そこから自分の道を進める…みたいな。
それってライトに遊んでるユーザーにはない観点で、道に迷った人がVRCを新たに進める道として希望を見出している。ある種救いの場と言うか。VRC内のクリエイターの熱量の高さっていうのもそこから来てるのかなと。

オーエン

そうですよね、「求めよ、さらば与えられん」と言った趣がありますよね・・・
趣というか、「そうしたい」と願っている人が多い、属人性が高いことなので
「VRSNSというシステムの本質か?」と問われるとずれている気はするのですが、動画サイトやYoutuber等今までの若年層の流行りの本質的な部分ではあるので、「そういう環境」というのが魅力の本質に係ってくるんじゃないかなと感じています。

やぎこ

そうですね。それで、さっきオーエンさんが言った『それがVRSNSの本質か?と問われるとズレている気はするが…』と仰ってましたけど、そう、ズレてるんですよ。本来の想定されてる使い方ではないですよね。
VRSNSっていうと、つまるところLINEとか電話であるとかの単純なコミュニケーションツールの延長であると思うんですが、VRCにはそのツールとしての役割とは別の何かとしてみんな使ってますよね。その何かっていうのはつまるところ認められたいという欲求を満たせる場所として活用してる…

オーエン

平たく言うと「褒められたい」

やぎこ

すごく分かりやすい説明だ

オーエン

僕等の世代(1990年代初頭産まれ)って産まれたとたんにバブルがはじけて好景気を知らないどころか、「社会全体への希望」を知らない人が多いと思うんですよ。
世間からは”君らの世代で日本は終わる”とかずっと言われて、実際に不況は実感すれど好景気は実感したことがない、今まで常識だと思われた人生のロールモデル(結婚や終身雇用等)はことごとく崩壊が見え始め、希望を持てる要素が殆どない、新しい成功のロールモデルも出てこない。

昔は「クラスで一番絵が上手い」とかのお山の大将的な成功体験がありましたが、今はインターネットの発達で情報だけは山のように押し寄せるので、雲の上のようなクオリティを皆が知っているのでその機会すらありません。

そんな中だから褒められることに他の世代より大きな喜びを感じるのかなと思います。

ただやっぱりそれって「VRCが居心地がいい本質」であって「VRSNSというシステムの本質」ではないんですよね・・・

こうなると、今VRSNSに皆が求めている物とVRSNSのシステムの本質にずれがあると感じますね。

やぎこ

そうですね。VRSNSが今後発展していくにあたって、そこってすごく考えなければならない部分であって、単なるコミュニティツールなのか、それとももっと別の付加価値が求められているのか…。
そこを考えていくのがVRSNSの発展のヒントになるのかなと思います。

オーエン

そうですよね・・・そうなると大分最初の話題からはズレますが、

「VRSNSというシステムはどういう本質を得てほしい」

と思いますか?

やぎこ

そう言われるとやはりVRSNSは『自分を表現できる場』としてのステージとして在るのがよいのかな。オーエンさんとしてはどういう形がVRSNSの本質であってほしいですか?

オーエン

色々想いがあって、大分ややこしい言い方にはなるんですが、一言で言うなら「表現者とその守護者が出会える所」ですかね・・・

やぎこ

守護者というのは表現者、つまるところクリエイターが何の心配もなく自由に表現活動が出来る場所…そういう場所の基盤を作る人の事ですか?

オーエン

そうですね、場所だけでなく作品への精神性や自分で何を獲得する過程を守ったり応援したりする等そういう全般的な活動ですね。
ある種のバーチャルルネサンスが本質となってほしいです。

やぎこ

バーチャルルネサンス…面白い表現ですね。VRSNSのルネサンス期を垣間見られる今ってすごく楽しいなって思います。

オーエン

そうですね、いろんな僕の想像もしていないナニカが見たいです・・・
これってもう「僕がVRSNSで見たいもの」ですねw

やぎこ

そうですね、そういう新しいものが生まれるのを見たいですよね

オーエン

そうそう!凄く見たい!自分にはない才能を!本当に見たい!

大分興奮して収拾がつかなくなりそうなので、記事は一旦ここまでにしたいと思います。
ありがとうございました!