『VRCボクシング大会』優勝者が得た新たな人生の目標とは~Vket2023Summer杯 ヒーローインタビュー~

のぞむんさん

「はじめはVR…… VRChatのことを少しバカにしていたんですよ」

既に年単位の大会開催実績を誇る『VRCボクシング大会』──日夜の激しい練習、切磋琢磨するライバル達、彼らとの激闘を制した優勝者はインタビューの中で私達に語りました。過去の大会を含めて三度の勝利を飾ることとなったのぞむん選手にとって、VRChatと『VRCボクシング』のコミュニティは今や切り離せない存在となっています。

『VRCボクシング大会』は、秋葉原というリアルの地を巻き込むまでに発展した巨大イベント『Vket』による公式配信のひとつとして採用され、2023年7月23日には「Vket2023Summer杯」本戦が開催されました。

『VRCボクシング大会』Vket2023Summer杯 配信アーカイブ

本稿ではのぞむん選手へのヒーローインタビューをお届けします。まさかの決勝戦ドローという大接戦、さらなるもうワンセットの最終決戦を含めて試合中の視点を振り返りつつ、これまでどのようにして『VRCボクシング』へと関わることとなったのかを語っていただきました。

たかがゲーム、そしてたかがVRと侮るなかれ。そこにはひとりの人生を確かに推し進めていくまでの変化、出会い、そして決意があったのです。

VRボクシングとは

日夜ボクサー達が集まる練習場ワールドには熱い実績が掲げられている

VRでボクシングの試合をすると聞いた時にはどのように想像するでしょうか?

既にVR体験型のゲームは数多く存在していますが、パッと思い浮かべるだけならば「あくまでも娯楽ゲームとして無理なく遊べる範囲にまとめられたもの」と考えるのが一般的でしょう。

ビデオゲームという広い範囲で見ればプロゲーマーという職業は無視できません。確かに彼らはその勝利の為にアスリートといって差し支えない…… いや、十二分にアスリートとして日々の活動へ邁進しています。

VRゲームは機器の差やプレイヤーの環境(十分に身体を動かせる空間を確保できるか否かなど)に大きく左右されるという点だけを考えても、技術を求められるルールやフェアなゲーム環境を整えるのが難しい、と考えるのは自然なことと言えます。

しかしながら、VRChatの中で真剣にボクシングの試合を構築しようと日々研鑽に励む人達が確かに存在するのです。実際に『VRCボクシング』をどのように進化させ続けているのかについては、過去の運営インタビューをご覧ください。

実際のボクシングとはもちろん異なりますが、『VRCボクシング』ではパンチを効果的に当てるだけでも様々な要素を考慮する必要があります。ある程度の速度を確保しなければパンチの判定は得られませんし、的確な角度で当てなければ威力を与えられず、ガードの為には実戦さながらに腕を上げ続けることとなります。

本稿の制作にあたって筆者も参考の為ワールドへ立ち寄り、ひとりで練習できるギミックを試してみました。人形に示された打撃ポイントへパンチを当てるだけだというのに、かなり気合を入れて腕を動かさなければ成功判定にならず、たった1分か2分のギミックで息はあがり、数セットも試すうちに汗だく状態となってしまいました。

「VRボクシングといっても、ゲーム的なルールを理解すればなんとかなるだろう」と思っていた甘さは完全に打ち砕かれ、しっかりとした練習や、身体能力の強化が求められると痛感しました。この本格的なギミックを体験すれば、大会の試合動画がどれだけ大変なものだったかを少なからず感じられるようになるかと思います。

のぞむん選手ヒーローインタビュー

本稿では『VRCボクシング』のゲームシステムに関する注釈が記載されていますが、この内容につきましては2023年8月31日時点を基準としたものとなります。
また、本インタビューにおける試合の振り返り内容につきましては「Vket2023Summer杯」開催時点・開催ワールドにおいての仕様に基づいて言及されたものとなります。
これらの内容はアップデート等により変更される場合があることを予めご了承ください。

シード初戦を振り返る(対戦相手:神咲アユム 選手)

Vket2023Summer杯 優勝者 のぞむん 選手
ゆーてる

この度はVket2023Summer杯の優勝、おめでとうございます!
VRボクシングでの大会は初だったのでしょうか?

のぞむん選手

大会の優勝はこれで3回目になります。
こんなに勝てていいものか!?と自分でも驚いています。
以前は『UDONボクシング』を遊んでいましたが、現在の『VRCボクシング』で開催された大会では全て入賞できています。

ゆーてる

Vket2023Summer杯は予選を勝ち抜かれた猛者ばかりが集う熱い大会だったかと思います。そこで、本戦の試合を振り返り語って頂ければ!
初戦は「神咲アユム」選手でしたね。

のぞむん選手

アユムさんは元々『VRCボクシング』とは全く関係のないコミュニティからの知り合いで、自分が誘って連れてきた人なんです。
あるあるな話なんですが、そうやって連れてきてくれた人を師匠とか呼ぶみたいな文化があります…… 自分は弟子をとっただなんて思ってはいないんですけど(笑
今でもそんな感じで師弟関係なんて言われたりします。特に何かを教えたりしていた訳ではないんですけど、本戦では自分にとっての初戦の対戦相手でしたので、周囲からは運命的な試合だ!なんていう風に言われてました。

ゆーてる

VRChatでも初心者案内をしてくれたユーザーに対して、親のように扱う風潮がありますから、それの延長線って感じですね。それほど印象的な試合だったのかもしれません。
神咲アユム選手はどういったファイターでしたか?

青:神咲アユム 選手 / 赤:のぞむん 選手
試合中は公平を期すため、大会が用意した同サイズのアバターを使用する
のぞむん選手

自分の目線だと、ヘビパン(※)を当てるのがすごくうまいという印象があります。というのも、普段ならヘビパンに対してそれほどプレッシャーは感じないんです。「タメ」られてもそれほど気にしません。回避できる自信があるからですね。

※「ヘビパン=ヘビーパンチ」とは
『VRCボクシング』ノーマルモードにおける攻撃機能のひとつ。しばらく「タメ」入力を行うことで威力の高いパンチを繰り出せるが、スタミナを消費する。
いつまでもタメておくことはできず、更にタメエフェクトが表示されるので密かに狙うことはできない。上記ではエフェクトによるヘビパン準備の心理的なプレッシャーについて述べている。

のぞむん選手

アユムさんとの試合では、このヘビパンを回避する前提で戦っていましたが、かなり当てられるな!って感じで…… けっこうヤバい試合だったんです。残った体力も10以下(※)だったと思います。

※「体力」について
ノーマルモードにおいて体力は50ポイントを初期値とし、ダウンするごとに最大値が10ポイントずつ減少する。ただし、ダウンによってラウンドが進んても、勝者側の体力はリセットされず持ち越しとなる。先に3ダウンを奪った方が勝利。
ヘビーパンチを急所へクリーンに当てた場合は、最大で8ポイントのダメージとなる。

ゆーてる

そんなに危なかったんですか!?
前提となる作戦が通じず、驚かれたでしょうね。

のぞむん選手

ちょっとびっくりしちゃって。
1ラウンド、2ラウンドと同じように続けていたんですが、これはマズいなと思って最後は回避を捨てて一気に攻めることにしました。

スピードコントロールで制した準決勝(対戦相手:ルーファス 選手)

青:ルーファス 選手
ゆーてる

それでは第二戦、準決勝を振り返りましょう。
対戦相手は「ルーファス」選手でした。

のぞむん選手

ルーファスさんは古参のプレイヤーですね。
前身の『UDONボクシング』の頃からやっていると思います。実際にはじめたのは自分と2~3ヶ月しか変わらないかもしれません。もっとかな?

ゆーてる

対戦相手としてどう感じられましたか?

のぞむん選手

カウンター型のタイプだと思います。もう絶対当てる!っていう感じですね。
当て勘も良いからもうダメージもすごくて…… 自分のスタイルとはとても相性悪いな!と前から感じていました。
こちらはスピードを使って先に攻撃を当て、反撃をもらう前に回避するというスタイルなので、カウンターを当てられてしまうと苦しいんです。
正直、大会では対戦相手として当たりたくないなと思うほどでした。

ゆーてる

試合中に食らっていたヒットは、ヒットアンドアウェイ作戦の「アウェイ」の瞬間をしっかり拾われてしまっていたってことなんですね。

のぞむん選手

なので、正直もうどうしたものかと悩みました。
ただ、大会までに自分としてもパンチが強くなっていた実感がありました。というのも、リアルでボクシングジムに通い始めたことでパンチを繰り出す角度だとかを教わり、それがVボクでも通じていたんですよね。
この「パンチの技術で勝ってやろう!」と試合中に気持ちを切り替えました。

ゆーてる

実際のジムに通い始めたんですね!!
試合中は具体的にどんな作戦の変更があったんでしょうか?

のぞむん選手

少しパンチのスピードを下げました
スピードを上げるとパンチの正確さはどうしても落ちます。逆に、スピードを抑えれば正確さを確保できます。
ヒットアンドアウェイのスタイルに変わりはないんですが、回避は「できたらラッキー」くらいに抑えつつ、正確さを重視したパンチでよりダメージを取ってやろうという風に、ルーファスさんとの試合では戦い方を変えました。

ゆーてる

へぇー!!
試合の中でそんな調整ができるものなんだ…… すごいですね。

ドロー判定からの再試合!前代未聞の決勝戦(対戦相手:Lup 選手)

青:Lup 選手
決勝戦の仕切り直しとなったドロー判定の瞬間
ゆーてる

決勝戦はLup選手との接戦でした。
ドロー判定(※)から、まさかの再試合という展開に配信席の面々もかなり驚いていました。まるで演出で狙ったかのような流れに盛り上がりも最高潮でしたね。

※「ドロー判定」について
両者が互いの攻撃で同時に体力を失い、それぞれが3ダウンを奪った状態となった場合の判定のこと。いわゆるダブルノックダウン。

のぞむん選手

Lupさんはもう……毎回対戦相手として当たるんですよね。
前回のSummer杯もLupさんだったような。
今回の試合前に「俺らもう運命だね」なんて言ったりして。
Lupさんからは「前のようにはいかないぞ」って声をかけられたから、こちらも負けずに「歴史は繰り返すんだよLupさん!」と返してそのままリングに上がっていきました。

ゆーてる

一回戦…… つまりドロー判定になるまでの試合についてですが、こちらはいかがでしたか?かなりの接戦だったと思いますが。

のぞむん選手

正直、あの一戦目は完全に打ち負けたと感じていました。
一戦目の最初のラウンドを先に取られてしまったんですよね。

ただ、先に差をつけて取られてしまった場合の切り札を用意してました。
ヘビパンを連打して敢えてスタミナをゼロにするんです。

ゆーてる

ん? スタミナがなくなると移動速度がかなり制限されるんですよね?

のぞむん選手

そうです。
あまり大会で狙ってやった人はいないかと思うんですが、実はこの移動速度の制限はスティック入力に限ったもので、リアルの身体を動かすことについては縛りがないんです。

ヘビパンを連打して、スタミナが切れたらガードに集中しつつひたすら身体を動かして回避しまくるっていう戦略です。この間はヘビパンを使えないので、その分攻撃は細かいパンチをたくさん撃つことになります。それでなんとかドローまで持ち込めました。これがなければ優勝は逃していましたね。

実際、スタミナが切れた時の移動速度は見て分かるくらいに変わるので、切れたことがバレないようにスタミナがある状態の再現をリアル身体の動きで狙ってみるなんてこともやりますよ。

ゆーてる

な、なんというゴリ押しの解決法!!!

リアル身体を使った高速スウェー
一瞬で視界から消えるレベルの「身体の動き」を見せつけられてるゆーてるの視点をお楽しみください
のぞむん選手

ヘビパンを撃った回数から、ある程度はスタミナの残りを推測できるんですけど、Lupさんもそれを察知したのかガンガンボディを狙ってきていました(※)。だからもしかしたら、スタミナが切れていたことはバレていたのかもしれないですね。

※『VRCボクシング』ノーマルモードにおいては、ボディへのダメージはスタミナを減少させる副次効果がある。

のぞむん選手

実は、Lupさんには「いざとなったらスタミナを使い切って身体の動きで対応する」っていう作戦があると事前に開示してたんですよね。
だから、Lupさんもその対策はしていたと思います。ヘビパンそのものはガード可能なのでしっかり固めたりとか。こっちとしても、もっと動き回ってサイドからの攻撃を狙ったりとか。

ゆーてる

秘策を開示していた上で勝利したということですか。

VRから始まった「リアルボクシング」への道

のぞむん選手

秘策という程でもないんです。
というのも、Lupさんとは普段からお互いに実験のようなことを重ねています。Vボクのコミュニティでは一番仲がいいといってもいいくらいですし。リアルでの付き合いも何度かあります。

さっきの作戦については、ガードの実験を重ねている時に「スタミナをなくして……」と話をしたんだと思います。ただこれはLupさんに対して使ってやろう!と決めてた訳じゃないんですけど…… 大会で当たっちゃったので(笑

この作戦はバレていても強いとは感じていましたし。

さすがに再試合ともなるとLupさんの集中力が切れてしまったみたいで、その後の打ち合いで勝てた、というところです。

ゆーてる

ルーファス選手との試合を振り返る中でリアルの話が出ましたので伺いますが、先程「リアルのジムへ通い出した」と言っていましたね。いつごろから通われてるんですか?

のぞむん選手

今年の6月からです。
自分への誕生日プレゼントとして……

ゆーてる

誕生日プレゼントでジムをプレゼント!?自分に!?

のぞむん選手

お金に余裕があるわけでもないんですけど、家族から色々プレゼントを頂けて少し浮いた分があったので、思い切って通うことにしました。

ゆーてる

どのくらいの頻度で通われてるんですか?

のぞむん選手

行ける時に行くという形にはなっていますが……
フルで行こうと思えば週5日は通える契約になっています。

ゆーてる

えっ? 週5!?

のぞむん選手

そうは言っても他の予定でそこまでは通えないんですが、少なくとも週3日は行くようにしています。

ゆーてる

思っていたよりハイペースで驚きました。
実際に通われてみて、VRとリアルではかなり違いはありますよね?

のぞむん選手

もちろん違いは色々ありますけど、やってみるとVボクに通じる部分も見えてきました。
むしろVボクは年単位で続けているので、Vボクのクセがリアルボクシングの方に出てしまって、それを直すのが大変です。
そういう意味では、リアルボクシングを始めた一般の方より成長度は遅いかもしれないです。

本当は週1日くらい、月に3回程度のコースで申し込もうと考えていたんですけど、ジムへ行ったら「月3回なんて成長しねえよ!!」と言われて半ば強引にプロ仕様コースになってしまいました(笑

「今月免除でいいからプロコース入れ!」とか言われたり……
お金は悩みましたけど、毎日練習しないと強くはならないだろうなとは思いましたから、今はバイトを増やしてがんばって通ってます。

ゆーてる

ジムに行こうと思ったきっかけはなんだったんですか?

のぞむん選手

まずひとつは、もう長らくVボクをやっているのでボクシングそのものに興味を持ったというのが理由です。

ふたつめは、Vボクそのものがシステムとしても進化していて、パンチの角度だとか様々な要素が入るようになったり、ダメージをなかなか出せなくなってきたことです。しっかり習ってみたいなと。

みっつめは、何かがあった時に自衛ができたらいいな、というところでしょうか。

ゆーてる

一度の練習ではどの程度練習するんですか?

のぞむん選手

90分くらいですね。
学校行って、バイト行って、そのまま直接ジム行って……
帰ってきたらもう22時近いですし、ご飯を食べてお風呂に入ると23時、そこからVRChat入って、VRでボクシングして…… 生活にジムが入ってかなりハードになってしまいましたけど、そんな生活をしています。

ゆーてる

タ、タフだなぁ~~~!?

ゆーてる

リアルでもVRでもボクシングに挑まれてますが、今後の野望みたいなものはありますか?

のぞむん選手

VRでは、とりさん(※)を倒すのがまずひとつです。
リアルでは、プロになりたいという目標を持っています、いつのことになるかはわかりませんけど……

※とりさん
『VRCボクシング』発起人。コミュニティの運営から日々の練習会開催をはじめ精力的に活動している。

ゆーてる

とりさんを倒す方がプロになるより難しくないか!?なんて言われたりしそうですね(笑

のぞむん選手

とりさんもリアルの経験者だそうですし。
当然Vボクの仕様は発起人としてかなり把握されてて、何より一番このゲームを遊んでいる人ですもんね。ゲームとリアルを併せ持つ最強の存在だから、無謀な目標かも(笑

「強くなりたい!」という思いはあるんですけど、Vボクの方は「自分がとにかく強く!」だけ……だと面白くなくなってしまうかも、なんて思ったりします。

ゆーてる

強者のコメントか!?
でもまだまだ目指すべき人はいますよね。

のぞむん選手

そうですね!
とりさんはもちろんですけど、ライバルとして高めあってくれる人達がいるから楽しいですよ。

ライバルとして高めあってくれる人達(屋台出演)

「バカにしていたVRChat」からそれは始まった

ゆーてる

Vボクと出会ったきっかけ、やろうと思った理由を教えてください。

のぞむん選手

実は、VRChatプレイヤーとしてはもともと褒められるような遊び方はしてませんでした。

はじめの頃は『Qじゃぱん横丁』というパブリックワールドにいたんです。その頃はそんなつもりでは無かったんですが、結果的に「荒らし」だと思われても仕方なかったかもしれません。

おじいちゃんの姿のアバターを使って見知らぬ人に近づいて、変顔をして驚かせるなんていうおふざけを繰り返してました。

のぞむん選手

そんな時に、「お前面白いじゃん」ってフレンドになってくれた人がいて、その人がVRでボクシングやろうぜって『UDONボクシング』に連れて行ってくれたんですよね。

そこで更にまた知り合う人ができて、その人にVRボクシングを教わるようになりました。「山田先輩!」って言ってついてまわって、今でも師匠師匠!って呼んでます。

ゆーてる

はじめは『UDONボクシング』だったんですね。

のぞむん選手

『VRCボクシング』の練習会があることを知らなくて、しばらくは『UDON』の方にいました。

言い方は悪いんですけど、『UDONボクシング』のパブリックってちょっと荒れてる感じなんですよね。いや、ちょっとどころじゃないかな(笑

そこで海外からアクセスしてる悪ガキみたいな人達と互いに荒らし合ってたというか…… ふざけあってボクシングしてました。

はじめのころは遊びだったんですけど、ふざけてる中でもゲームとしては面白くね?ってハマっていきました。どんどん悪ガキをボコボコにして「オレはパブリック最強だーっ!」って調子こいてました。

のぞむん選手

そんなタイミングで「どうやら日本人が集まってるボクシングワールドがあるらしいぞ」ってことに気がついて、道場破りだ!!みたいなテンションで『VRCボクシング』の練習会に行っちゃいました。

「ここで一番つえー奴は誰だ!」みたいなことを言って、そのままとりさんに試合を申し込んでボコボコにされました。

ゆーてる

ギャグみたいな話っすね……!!

のぞむん選手

とりさん以外の人達とも戦いましたよ。もうボロボロで、こんなにつえーのか、面白い!!ってなって、そこから入り浸ってるんです。

ゆーてる

スラム上がりの主人公かな?

のぞむん選手

VRChatもゲームとして入るというより、はじめのころは暴れるため、ストレス発散のために入っているようなものだったんで。

それが『VRCボクシング』のコミュニティに関わるようになってからたくさん入るようになったし、いろんな知り合いができて、他のコミュニティにも行って…… 変わっていったという感じです。

ゆーてる

ヤンチャしてた奴が格闘技を通して道を見出すエピソード、そのまんまのようなきっかけがあったんですね。

のぞむん選手

とりさんからは今でも言われます。
「のぞむんお前、はじめのころはヤバかったぞ」とか、成長したなとかって。

正直、VRChatはどうでもいい存在でした。
はじめはVR…… VRChatのことを少しバカにしていたんですよ。
別のゲームのコミュニティから来ていて。

他の一般的なゲームから見るとVRChatはバカにされがちなところがあるじゃないですか。外から見ればきわどい文化があったりして。自分もそっち側だったので。

そんな感じではあったんですけど、VRを面白そうとは思っていたので、入っては荒らしのようなことをしてしまっていたんですよね。

ゆーてる

そこからリアルにまで影響してプロという目標を持つまでに至った、と。

のぞむん選手

Vボクの為に自制しているっていうのはありますよ。Vボクを知っている人であれば、のぞむん=Vボクのコミュニティにいる人と映ることになるので。

もう暴れられないなぁ~~!!

ゆーてる

「暴れる」が「戦う」に変わったんですね!

のぞむん選手

そうなりますね。
でも、Vボクで仲いい人とかには似たようなことを今でもしてますよ。

Vボクのコミュニティは面白い人達がたくさんいるんで、だから通っている人も多いんだと思います。気づけばけっこう長く入り浸ってるので、いくら話しても足りないくらい面白い話があります。

『VRCボクシング』がゲームとしても面白いし、そこにいる人達も面白いし、だからこそ一層盛り上がってるんだと感じますね。

のぞむん選手、貴重なお話をいただきありがとうございました!!

『VRCボクシング』は、そのシステムとしても、コミュニティとしても、より「スポーツらしさ」を追求して日々進化を続けています。そこにはただVR空間で遊ぶだけでは得られない深みがあると言えるでしょう。

そんな追求の日々を過ごす猛者たちが集まる『VRCボクシング練習会』は、毎週木曜と日曜の21時~23時に開催されています。初心者の方も歓迎中とのことです。人生の目標からフィットネスまで、くれぐれも周囲の空間確保は忘れずに、VRでのスポーツに挑んでみては!?

https://twitter.com/torikinoco1048/status/1696085213128843679?s=20