【VRChat 2025.1.3】上級者向けカメラ機能「ドリー」「ドローン」・ウェブカメラで「上半身カメラトラッキング」が登場!【VRChatアップデート情報】

日本時間3月27日、VRChatはバージョン2025.1.3(Build 1606)をリリースしました。

今回のアップデートでは、カメラ関連の大幅な機能追加・ウェブカメラでのトラッキングなどが追加されました。
この記事では、バージョン2025.1.3(Build 1606)のアップデート内容と前回のアップデートからのあれこれをご紹介します。

公式Xでのアナウンス

なお今回のビデオパッチノートでは、今回紹介する機能をフルに活用した動画が含まれていますので、ぜひご覧ください!

飛行機に乗るStraszさんとともにアップデートを探索しよう

今回のアップデート内容

リリース直後のため一部言葉の差異や未翻訳の箇所もありますが、後々の更新で修正される見込みです。

今回のリリース内容は、VRChat内のバナーなどでも映像付きで見られます!

ドローンカメラ登場

VRC+限定機能

ドローンの外見

このドローンカメラ(Drone Camera)は、一言で言うと「ガチのドローン」。

従来のカメラの「飛行モード(Flying mode)」の上位互換ではあるものの「稼働時にブオーンという飛行音がする」「操作が本物同様難しい」など予想以上に本格仕様。

ドローンカメラの画面(デスクトップ)
ロール・ピッチ・ヨーの説明(VRChat内のヘルプから)

ロールピッチヨー角が作用し、本物のドローンと同じような複雑な動作をさせることができます。

なお、既存のキーボードやVRコントローラーでの操作は難易度やバインドがより複雑になるため、ドローン操作には公式ではゲームパッドの利用が推奨されています。
Steam入力と互換性のないなどのゲームパッドを使用する場合は、Drone legacy inputを設定する必要があるそうです。

ドローン操作のデフォルトのバインド
ゲームパッドの一例 DUALSHOCK 4
豊富すぎる設定項目

ドローンカメラは、飛行制限がなくワールド内を自由に飛行することができるようになりますが、ワールド内のコライダーに判定があるので「壁や床をすり抜ける」などは出来ないようです。

障害物に接触すると最悪ひっくり返ります(そんな時はリスポーン)
ホバリングするドローンを触ることもできます。

VRChatでは、ドローンカメラを飛ばすのに最適なワールドを募集中。SNSで #VRCDrone で投稿してみましょう!

項目の増えたカメラメニュー
慣れないながらもなんとか事故を起こさず操縦。

ドローンカメラについては、公式Wikiでも。こちらから。

カメラドリー実装

VRC+限定機能

詳しくはこちらの動画でも

VRChat内で映像を作成する際には、従来の飛行モードのみでは限界があったため、アバターに撮影ギミックを別途仕込んで撮影することが多かったですが、今回の「カメラドリー(Camera Dolly)」で公式のカメラのみでカメラワークの自由度が非常に高まりました。

ただし、やや複雑で難解なため動画クリエイターなどの上級者向けの機能となっています。

カメラドリーは、ワールド内にポイント(パス)を設置しルートを構築することで、そのルート上をカメラが飛ぶという機能。

「この場所にカメラが来たらズームする」「フォーカスを使う」などポイントごとに細かい設定もできます。
時間ベースまたは速度ベース(Mortion Control)で動きの指定ができ、リピート機能(Looping)・カメラの動き(Camera Path)・イージング(Easing=動きの緩急)など設定できます。

そして、撮影に使用した設定・ポイントはエクスポートすることができます。エクスポートしたデータは、パソコンの「ドキュメント>VRChat>Camera Paths」に保存されます。
エクスポートしたファイルは、ワールドを立て直してもインポートすれば同じ設定・ポイントで撮影することができます。

カメラのAdvancedにエクスポート・インポートのボタンがあります。
設定したルートの途中を持つと新たなポイントを設置できます。
ドリーカメラで撮影したポピー横丁

そのほか、このカメラドリーはOSCにも対応。

カメラドリーについて、詳しくWikiで説明もされているほか、学べるワールドも登場。

ワールド内の展示
カメラドリーについて知れるワールド(英語)
クリックするとワールド詳細が開きます
カメラドリーのポイントに設置されたカメラ

上半身カメラトラッキング

VRC+限定早期アクセス

ウェブカメラで動く筆者。

この上半身カメラトラッキング(Seflie Expression)は、デスクトップモードでウェブカメラを使用すると顔の表情・頭や目の動き・手の動きをトラッキングすることができます。

ウェブカメラ(または代替えとしてスマートフォン)さえあれば、デスクトップモードでもVTuberのような立ち姿が出来るのかも…!?
デスクトップモードでも、身振り手振りが出来るので棒立ちにならず表現・交流の幅が広がります。

この上半身カメラトラッキングは、昨年12月にAndroid(モバイル)向けに先行してリリースされていた機能になります。

上半身カメラトラッキングの設定画面(オープンベータで撮影)

これに伴い、設定の「トラッキングとIK(Tracking & IK)」に上半身カメラトラッキング用の設定項目(Camera Tracking)が追加されています。

上半身カメラトラッキングの設定項目
  • 上半身カメラトラッキングを有効にする(Enable Selfie Expression)
  • 上半身カメラトラッキングの品質を自動調整(Auto-Adjust Selfie Expression Quality)
  • 上半身カメラトラッキングの品質(Selfie Expression Quality Level)
    オフ・パフォーマンス・バランス・高品質・最高品質 から選択。
  • 上半身カメラトラッキングで手の動きをトラッキングする(Selfie Expression Also Moves Hands)
  • 自動補正の速さ(Auto Recentering Speed)
    上半身カメラトラッキング有効時、自動的にアバターの顔がデスクトップの中心に向く速度を変更します。0にすると無効になります。
  • ウェブカメラデバイスを変更(Change Webcam Device)
デスクトップでまめひを撫でる

なお使用時、パソコン(主にCPU)に負荷がかかるので、スペックには注意が必要です。

この上半身カメラトラッキングは、VRC+ユーザー向けの早期アクセスと位置づけられており、将来的にVRC+未加入のユーザーにも提供される可能性があるようです。

VRChat+未加入のユーザーがアクセスしようとすると
OBSとspoutを使った一例。
もっと効率のいいやり方があるのかも?

カメラ そのほかの注目機能

  • 飛行モード使用時、レンズの回転速度と移動(飛行)速度を変えられるように
  • 飛行モードの飛行制限は自分を中心とした直径15mの範囲ですが、ドリーカメラを使用した飛行モードの場合は150mまで飛ばすことができます。1
  • 他人のカメラでシャッターが下りた瞬間、レンズにある青白いライトが点滅するようになりました。
  • 他人のカメラでカウントダウン使用時、視覚的にもカウントダウンがわかるようになりました。
他人のカメラのレンズに追加されたカウントダウンまでのリング
  • 動画撮影時、ユーザーの視点によって音声の位置が変わっていく難点がありましたが、カメラ(レンズ)視点でのオーディオへ切り替えられるようになりました。
    ただ技術的な都合で、音声はユーザー視点かカメラ視点のどちらか片一方のみしか選択できないため「今いる場所の音を聴きながら、他の場所の音も同時に聞く」ことは出来ません。
ストリームモードを選択すると出現する「Audio From Camera」で切り替え
  • ドリーカメラの一機能。OBSなどの外部ソフトを使わずに動画を60秒撮れるように
    録画機能で撮影した動画は、パソコンの「ビデオ」フォルダに保存されています。
  • グリーンバック撮影モードで、(Hue)(Saturation)・明(Lightness)が変更できるように。
    これで髪の色や服に明るい緑色が使われていても、色が抜かれないようになりました!

その他アップデート

  • セーフティ(Safety)メニューが設定(Setting)カテゴリにお引越し、リニューアル。
    ドローンが追加、切り替えもシンプルになりました。
  • インスタンス作成時、インスタンス内でのコンテンツの共有など出来ることを細かく設定できるようになりました。
インスタンス内で出来ることの設定
  • 絵文字
  • ステッカー
  • 共有ペデスタル
  • プリント
  • ドローン
インスタンス作成後もオンオフの切り替えが出来ます
ウェブからは、デフォルトで使用の可否が設定できます。

ワールド制作者がワールド内で使用できるコンテンツを制限・設定した場合でも、適用されるのはパブリックインスタンスのみ
プライベートインスタンスなど他人が管理できる状態のインスタンスでは、デフォルト設定扱いとなり、インスタンス作成者が切り替えられるようになりました。

  • PhysBoneの調整。
  • タイ語のサポート。
  • プレイヤーの音声遅延が最大250msに。
  • Android(モバイル)でもGift Dropsができるように。

詳しくはリリースノート参照。

2025.1.2リリース以降に公開されたあれこれ

スペースジャム2025

昨年開催された「スペースジャム」が今年もやってきました。
今年もオーストラリアのオーストラリア国立宇宙協会(NSSA)とコラボで開催!

テーマは「持続可能な宇宙、再起する地球」「新たな地平線、共有する未来」の2つ。

入賞者には、VRChat+1年分が商品として用意されており、上位入賞者にはVRChat+に加え賞金(豪州ドル)も。優勝者にはさらに翌年のスペースジャムの審査員枠も与えられます。

スペースジャムは、2月24日から応募が開始され4月5日(EST)に締め切られます。
結果は、4月11日に発表され、翌12日からはスペースジャム特設のワールド一覧に公開されます。

詳しくは、公式ブログをご覧ください!
今回のスペースジャムの記事は日本語にも対応です!

2月27日のデベロッパーアップデート

  • 前述のスペースジャムについて。
  • ワールドクリエイター向けのバグの注意喚起。
  • 2025.1.2をリリース。
  • ウェブサイトのアバターページを更新。ウェブサイトでアバターの名前(Name)や説明(Description)など編集できるように。
    そのほか、アバターの種類(人間やケモノなどのカテゴリ)やタグ・使用モデルなどの表示(acknowledgements)が設定できるようにもなりました。
ウェブサイトのアバターの詳細画面
アバターの説明などがSDKを使わなくても編集できるように

3月13日のデベロッパーアップデート

  • スペースジャムの応募受付中。
  • 2025.1.3 オープンベータ中。セルフィーエクスプレッション(上半身カメラトラッキング)・ドローン・インスタンス設定について詳しく。
  • SDK3.7.6リリース。ワールドとアバターを複数のプラットフォームに同時にビルドする機能が追加。
    将来的にプラットフォームごとに異なったビルドが出来るような機能も?
  • Steam Audioがまもなくオープンベータで登場?
    従来VRChatの空間オーディオにONSP(Oculus Native Spatializer Plugin)を使用していましたが、Steam Audioに置き換えることが検討されています。
    (執筆時点で、オープンベータでリリースされており、気になる人は試すこともできます)
Steamのベータに追加されている「Steam Audio Open Beta」から

グッズについて色々

The Black Catとのコラボピンバッジが期間限定(4月11日頃まで)で販売中!
EOZでもコラボグッズを販売中!日本向け販売サイトも!?

新たなバッジ登場

VRC+の加入期間に応じて、バッジが新たに付与2されるようになりました!

加入期間3年のバッジ獲得通知。

リリースノートはこちら(英語)

https://docs.vrchat.com/docs/vrchat-202513

関連リンク

2月27日公開 デベロッパーアップデート (英語)
3月13日公開 デベロッパーアップデート (英語)

Space Jam is Back – VRChat公式ブログ(英語・日本語)

Camera Drone – VRChat Wiki
Camera Dolly – VRChat Wiki

前回のアップデートはこちら!

脚注

  1. Camera Dolly 101 – Hall 12.1 Camera Distance ↩︎
  2. New Badges for VRC+ Subscribers! – VRChat2025.1.3 ↩︎

投稿者プロフィール

Note(のーと)
Note(のーと)
VRChatに住む無言勢。
鏡文字とVRChatのアップデートについて主に書いてる人。