紳士のスポーツ、ビリヤード。
日本でも大型のゲームセンターやネットカフェで気軽に遊ぶことができますが、今は自宅にいながらVR空間でビリヤードを楽しめる時代が来ているそうです。
有志の愛好家たちによって連日大会も開催されていて、今ひそかにブームとなっている『VRビリヤード』
今回はVRChat内でビリヤードをしているバーチャルハスラー、みなみにしさんにVRビリヤードの魅力についてお話を伺いました。
目次
VR空間でビリヤードが出来る!?
今『VRビリヤード』がアツいと噂を聞いてお邪魔させてもらいました。
僕の記憶だと2020年の暮れにUDON(※1)を用いたVRビリヤードゲームが誕生して当時かなり話題になったのですが、それから時が経って、いまではコミュニティが出来上がるほどに盛り上がりを見せているのですね。
(※1 UDON…VRChat専用のノードプログラミング環境のこと。UDONの実装によって、より高度なVRゲームがVRChat内で作れるようになった。)
そうなんです。
ビリヤードテーブルは色々なVRChatのワールドに置いてあるかと思うんですけど、台自体も進化してて、現実と遜色ないくらいクオリティの高いゲームが楽しめるようになっているんですよ。
例えばこちらのワールド『Pool Parlor v3』に置いてあるテーブルはジャンプショットやマッセショットが出来るんですよ。
ジャンプショット…マッセ…?
ジャンプショットって言うのは手球の斜め上からキューを撞き下ろして手球をテーブルにバウンドさせ跳ねかえさせる技です。たとえばこんな感じです。
球がジャンプした!!
そしてマッセは簡単に言うと球に回転をかけるショットの事を言います。
手玉と的球の間に邪魔な球がある場合によくされる打ち方なんですよ。
めちゃくちゃ綺麗にUターンしてる…!
物理法則どうなってるんだ。
今いるワールドは特にリアル志向で作られているワールドで、現実に近い感覚でビリヤードを遊ぶことが出来るんです。
VRChatの中ではビリヤードの同好会やイベントがたくさん行われています。
今VRでビリヤードが熱いんですよ。
みなみにしさんがYouTubeやSNSでアップロードしている動画もたくさん見させてもらっています。
VRChatでも現実とほぼ変わらないようなリアルな動きでトリックショットを打ってらっしゃいますよね。
そうなんです。作った映像じゃないですよ!
現実でビリヤードをやったことがある人でもVRのビリヤードもすごくハマると思います。
VRビリヤードって今ここまで技術が進んでるのか…!
大会にお邪魔させてもらった
今日はVRChatで『VRCビリヤード ナインボール大会』という大会が開催されるので、やぎこさんも一緒に見てみませんか?
今回は24名の参加者でトーナメント戦をやるんです。
わぁ!選手の方がたくさん!
自宅からビリヤードの大会に参加できるってすごいですね。
そもそも自宅じゃビリヤード台置くのも難しいですし、VRゴーグルを被れば本格的なビリヤードが遊べるのは革命的かもしれない。
もちろん現実のビリヤードも楽しいですが、VRなら手軽に出来るっていうのがいいですね。
それから、現実と違って球や台を傷めないので、気軽にトリックショットを練習できるというメリットがあります。
現実だと基本的にはマッセショットはお店の許可が必要だったり、全面禁止にしているお店も多いので。
そうか、部品を傷めないのは嬉しいですね。
初心者でも気負いなく練習ができそう。
ナインボールってなぁに?
ところで『ナインボール』ってどんな遊びなんですか?
ナインボールは簡単に言うと、1番から9番の的球を順番に落としていって、最後に9番の球を落とした人が勝ちというシンプルなゲームです。
うまくいけば連鎖的に球を落とすことも出来るので、初心者さんでも勝てるチャンスがあるゲームなんですよ。
初心者さんに優しい点で言えば、VRChatのビリヤードはキューを構えると白い導線ガイドが出るんですよ。
なのでどこに球を当てたらいいかの目安が分かりやすくなっています。
ガイドが出るのはVRならではのサポートですね。
これなら僕でもできそうです!
いろいろあるぞ!ビリヤードの競技について
ちなみにビリヤードには大きく分けて3つの種類があるんです。
日本で馴染み深いのは『ポケットビリヤード』と呼ばれる、穴の空いたビリヤード。
ポケットに落ちたボールが底に溜まる仕組みになっていたことから、英語圏では主に「溜まる」という意味の「pool」が、ポケットビリヤードを指す一般的名称として使われているんです。
それから『キャロム・ビリヤード』という穴のないビリヤード台。
そして一般的なものよりテーブルが大きくて玉が小さく、主にイギリスで人気のビリヤード『スヌーカー』があります。
へぇ、穴のないビリヤード台もあるんだ。
各ビリヤードの種類ごとに大会が開かれているんですけど、大会の賞金で見るとプールはスヌーカー、キャロムの大会に比べ、現時点では大会の賞金は低めになってます
そういえばみなみにしさんはTikTokやYouTubeで、美女をビリヤード台に乗せてトリックショットを打つ動画を上げてますが、あれは現実でも実際にある文化なんですか?
それはありますね。
競技としてのビリヤードではないんですが、アーテスティックって言う文化がありまして。いわゆるスーパーショットを見せて場を沸かせる競技です。
武道で言うと『試合』と『演武』みたいな感じなのかな。
ビリヤードも色々あるんですね。
広がるビリヤードの輪。リアルからバーチャルへやってくる人も。
バーチャルからビリヤードの面白さを知ってリアルのビリヤードに遊びに行く人も多いですが、リアルからバーチャルの世界に来てくれる人もいるんですよ。
今日遊びに来てくれたchikkyさんもリアルからバーチャルにやってきてくれた1人です。
chikkyさんはどれくらいビリヤードをやられているんですか?
リアルでは20年くらいやってます。
20年!!
ビリヤードの情報をSNSで見ていたら偶然みなみにしさんの動画を見つけまして。それで私もVRでビリヤードをやってみたいと思いVRを始めたんです。
今はQuestからVRChatに遊びに来ています。
Quest単体でもこんなにハイクオリティのビリヤードを遊べるんですね。
実はプロで活躍している人もVRChatでビリヤードをやってるんですよ!
後藤田佳奈さん(@kanayan_jpba)というビリヤードのインストラクターをやっている方で、多数の大会出場経験がある実力のある人なんです。
そうなんですね。
そのうちバーチャル空間でも現実さながら、スポンサーの賞金が出るプロ大会が開催されたりするかもしれないですね。
誰でも気軽に参加できる、VRビリヤードの魅力
ビリヤードはまったくの初心者でしたが、そんな僕でもすごく楽しめました!
VRビリヤードはとにかく気軽に始められるのがいいですね。
いきなりリアルで練習しに行くのは恥ずかしいけど、VR空間なら一人でこっそり自主練してもいいし、人と一緒に遊ぶことも出来ますし。
ありがとうございます!
今VRChat内では今回来ていただいた『ナインボール大会』を始め、『エイトボール大会』それから『VRビリヤード初心者交流会』というイベントを定期的にやっています。
VRビリヤードに興味を持ってくれた方は是非遊びに来てくださいね!
VRChatでのビリヤードの情報は♯VRCビリヤード同好会のハッシュタグで見ることが出来ますよ。
それから、私個人の活動として、VRChatでのビリヤード動画をアップロードしているのでそちらも見て下さい♪
メタバース撞球師 みなみにしさん(@southwest0302)
VRでビリヤードしてるバーチャルハスラー。
VRChat内でビリヤード大会の配信を行ったり、SNSでVRビリヤードのトリックショットを公開している。夢はバーチャルでpoolbarを経営すること。
Twitter https://twitter.com/southwest0302
YouTube https://www.youtube.com/channel/UCvlws4SbwVCh-efWV-17VYA