
この記事は2026年5月23日に秋葉原CLUB GOODMANで開催されたリアルライブ『OUTSIDE』のライブレポートとなっている。
開場前



この『OUTSIDE』は『超メタフェス2026』のサイドイベントという位置づけでの開催。筆者ももちろん『超メタフェス2026』のPlusチケットを購入し、コーヒー休憩を取りながらライブまでの時間を潰していた。クリエイターエリアが16時に閉場した後は少しだけ企業出展エリアを巡り、フレンドと腹ごしらえへ。筆者はこの後翌朝7時までイベント漬けの予定だったため、首都圏にしかない博多風豚骨ラーメンで替玉を2杯も注文し、お腹を満たした。


会場前に着いたのはちょうど開場時間の17時半ごろ。店舗前には10人ほどの行列ができていたほか、同じビル内にある楽器屋に向かう一般人もライブがあるんだね~と興味深そうに列を眺めていた。開演までは物販タイムとなり、1番手『onchaya』を除く4組のアーティストの物販が行われていた。筆者はこの時間に『UDON NOODLE』と『cymvidia』のグッズを購入し、ライブに備えた。
また、『OUTSIDE』において特によかったと思うのが、待機中BGMや転換BGMで流れている曲が全て「VRChatで活動しているアーティストの曲」となっており、文化の継承を深く感じられたところだった。ライブを見に来ていた『Ignotus Flamberge』の一部メンバーも「やっべぇ!うちの曲流れてるのむっちゃ嬉しい!」と歓喜の声を上げており、開演前から会場は盛り上がりを見せていた。
onchaya
幕が上がり始まったのはOpening Actの『onchaya』。アコースティックギター1本の弾き語りライブで4曲を演奏していた。だんだんと会場の盛り上がりを後続のバンドの雰囲気に合わせていくように、客席の熱量も曲ごとに変化していく。


1曲目では皆が穏やかに耳を傾けていただけだったのが、2曲目では手拍子、3曲目では手を振るように。そして最後に披露した4曲目の『signal』では「Hay lady 君がいい」とシンガロング。Opening Actとしての役割を務めあげ、『ばけNeko』へと繋いだ。
ばけNeko
2025年に結成されたVRバンド『ばけNeko』。ギターボーカル蟹江を中心にサポートメンバーなどを加えてバンド活動を続けており、2026年2月には1stEPの『Slice New Yellow』を発表している。『OUTSIDE』ではサポートドラムにジャンク(from PHANTOM)と、ライブ内で正式加入が発表されたベースのあきやま。(今回はベースサポートでの参加だったが、ドラムとして加入)によるスリーピース編成での演奏となっていた。


最初に披露されたのは1stSingleの『雨のちレモネード』。『ばけNeko』を知るならまずこの曲という感じの掴みから、2曲目に演奏されたのは『キラキラキルキラ』。個人的には一番好きな曲であるが、演奏後のMCでは「このメンバーでやるならこの曲をやりたい!」とセトリに追加したそうで、「やってくれてありがとう~」と心の中で声に出していた。
メンバー紹介を挟んで披露されたのは『君は風花のように』、そして各メンバーの名前が歌詞に入った新曲『一秒でも早く』。このパートではソロ回しも入り、各メンバーが顔を合わせたり背中を預けたりという信頼感があふれ出ていた。


最後のMCでは『OUTSIDE』の後に『ドデカメタのみ』の出演を控えているジャンクへの労いと、あきやま。のメンバー加入の発表が行われ、アツいMCから代表曲ともいえる『タイムアウト・トランスポーズ』『愛の涙』の2曲を連続して披露していた。
UDON NOODLE
『UDON NOODLE』は2025年春頃に結成されたスリーピースのインストバンド。今までにVRChatで結成されたインストバンドといえば『StrollZ』(サックス・ピアノ)や『NAGISA lab.』(ギター・サックス・ピアノ)などがあったが、『UDON NOODLE』はギター・ベース・ドラムの編成でロック調の曲が特徴となっている。


『UDON NOODLE』のライブではこの会場で頒布された1st EPの曲をそのままセトリにし、4曲を披露。1曲目は短めながらも『UDON NOODLE』のジャンルを表したような『SANUKI BEATS』で3人の腕が光る。2曲目の『矢継囃子』ではギターのごぼうがベースの優実たそに近寄ったかと思えば、今度は優実たそからごぼうに近づいたりと、インストながらステージ上のエンターテイメント性にも溢れており、楽しんで演奏している様子が見られた。
『呼び込み君』のアレンジ等を加えながら曲がどんどん展開されていき、EP内では5分程度の曲にもかかわらず、ライブアレンジで7分を超える演奏となっていた。終盤ではドラムのねむのビートがテンポアップして終わるという変容具合。


次に演奏された『Backyard Rules』では優実たその指のタコが破れていたようだが、ベースを叩くように激しく鳴らしながら、ラータッタとコーラスをする様子からは微塵もその雰囲気を感じさせなかった。MCでは「インスタンスフル」といった表現から親しみを持たせつつメンバー紹介を行い、最後に披露されたのは定番となりつつある『Three for Infinity』。この曲に至っては各パートのソロや客席を盛り上げるMCなども合間に挟まれ、なんと倍以上の長さの演奏時間となっていた。インストバンドならではのアレンジ性と楽しみ方でたった4曲とは思えないボリュームのあるライブだった。
cymvidia
2024年から音楽活動を行い、2025年からVRライブなどでも見かけるようになったVRバンド『cymvidia』。コンポーザーのshuannを中心に複数のボーカルとサポートメンバーで活動を行っている。『OUTSIDE』では、shuann(ギター)の他にtemari8(ギター)、だいなも(ベース)、緩斗(キーボード)、Mottyan(ドラム)、西成武蔵(ボーカル)と豪華6人編成でのライブとなっていた。
『cymvidia』の多くのVRライブでは全くMCを挟まず、ただひたすらに曲だけで世界観を構築していくようなライブが行われる。リアルライブとなった『OUTSIDE』でも多分に漏れず、『てらす』、『floating』、『あさ』、『終想』、『かたち』の5曲をMC無しのぶっ通しで演奏が行われた。


音楽だけの世界に飲み込まれて客席は静かなようにも見えて、その目は熱くステージを向いていたようにも見えた。最後に演奏された『かたち』は時にシューゲイザーのような激しさを内包し筆者も思わず頭を振っていた。静かだけど騒がしい、凛としたボリュームのあるライブという雰囲気で静かに『cymvidia』のパートは終了した。
モノクロバレット
2025年に結成されたオルタナティブロックバンド『モノクロバレット』。今回の企画の主催を務める。『OUTSIDE』ではbengo(ギターボーカル)、lionality(ギター)、Shachihoko(ベース)、Nemu(サポートドラム)の4人編成での演奏となっていた。
『モノクロバレット』のライブは『ステンドグラスの少女』『Mirror』から始まり、配信リリースされている『ロータリーで待つ』『土砂降り』『Seaside Teleport』と締める全5曲の構成。


序盤のMCではメンバー紹介や『超メタフェス』、物販の告知などを語っていたが、後半のMCでは今回のライブに出演してくれた方々、ライブハウスのスタッフ、来場者への感謝の他、今回のライブで初めて『VRChat』を知ったという方に向けてのVRChatの紹介なども行っていた。

モノクロバレットといえば、『ワンツー!』から始まる『Seaside Teleport』は筆者も大好きな曲で、まさにこの曲のイントロを叫ぶために来たといっても過言ではないほど期待をしていた。実際、『Seaside Teleport』で『ワンツー!』と叫んだあとの自身の表情は気持ち悪いほどの満面の笑みだっただろうなと思いながら、そのメロディーに体をゆだねていた。
『Seaside Teleport』の後にメンバーが捌けた後も緞帳は降りず、もちろん発生するアンコールの声。各アーティストのボーカルがステージに再登場し、最後に披露されたのはOpening Act『onchaya』の『船出日和』のカバー。ボーカル4人(onchaya、蟹江、西成武蔵、べんご)でパート分けをしながら、楽しそうに歌う姿が印象的だった。
終演後

終演後は会場内でアーティストたちに挨拶したり、見に来ていた観客同士で感想を言い合ったり、買いそびれた物販に駆け込んだりと各々の過ごし方をしていた。
筆者はというと、この後ゆっくりホテルに帰るだけ……というわけではなく、翌朝7時までまた別のイベントに遊びに行く用事があったので、ライブ会場のほとぼりの冷めやらぬまま次の会場へと足を運んだ。
VRアーティストが主となるリアルライブの予定はしばらくないが、また『超メタフェス』や『VketReal』、『Vライフ』などに連動してライブが行われることがあるだろう。他のライブレポートなども参考にして、ぜひ行ってみたいと思った方は足を運んで見て欲しい。
また、『OUTSIDE』開催を記念して、VRChatワールド『タワワレコード』のキューレータープレイリストでも『OUTSIDE』出演者の曲を期間限定で聞くことができるようになっている。この機会にぜひ訪問してみてはいかがだろうか。
記事内にて使用した写真はすべてYasha(from Yasha&Mervy)による撮影。
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