アダルトVR動画ってどうなの?個室ビデオ店のVRを体験してきた。

医療分野や建築業界、バーチャル空間でのイベント開催やショッピング、旅の疑似体験提供など、様々な分野に活用が期待されているVR。

2016年に一般の消費者向けのVRヘッドマウントディスプレイとしてOculus Riftの発売が開始されてから同年にソニーのPlayStation VRが、そしてValveとHTCからHTC Viveが発売され、これまで企業間での活用が主だったVR技術が一気に一般へと普及し始めたわけだが、上記のVR機材はPCが必須であったり、機材そのものの入手が一般の家電量販店では販売されておらず専門店に行かないと購入できなかったり、体験するにしても都心部の専用アミューズメントパークでしか触れる機会が無かったりする。

しかしそんな中でも比較的低価格でかつ簡単にVR機材が試せる場所が町中に存在しているのをお気づきであろうか…?

そう、個室ビデオ店である!

今や個室ビデオ店はVR一色。

インターネットでの自宅でのアダルト視聴が一般化した現在、VRは個室ビデオ店にとって新たな戦力として第一線で活躍しているのだ。

個室ビデオ店の看板にはどこをみてもVR、VRVR…

果たして個室ビデオ店のVRでは一体どれくらいのVR体験ができるのだろうか?
VR研究家としてこれだけ一大産業を築き上げているアダルトVRについて無知と言う訳には行かない…!
という訳で実際に潜入して調査してきた様子をここにレポートする。

個室ビデオ店に潜入!

今回潜入した個室ビデオ店は『宝島24』

関東だけでも82店舗も店舗数を構える大手個室ビデオ店である。
店の看板には大きく最新鋭!4K!VR!の文字が並び、こちらの看板を見るだけでもVRを目玉商品として売り出していることが手にに取って分かる。

個室ビデオ店初めての利用である筆者にとっては思わず息をゴクリと飲んでしまいそうな外観であるが、これもVR市場の調査の為…。

そう思い、勇気を振り絞り雑居ビルに足を踏み入れた。

どうやら異空間に迷い込んだようだ…

雑居ビルに立ち入るとさっきまでの繁華街の喧騒が嘘のように消え、シーンと静まりかえる空間にエアコンのコンプレッサーの低い音だけが『ゴ――――と響いていた。

目的の店舗の階まで行くのにエレベーターが下りてくるのを待ちながらふと横の用具入れのような扉を見ると…

『この扉を開けるのはやめてください。中には金目のものは何もありませんよ

と注意書きが書かれてある。

人間味あふれる字というか、ぎこちない字と言うか…
妙に不安になる字で雑にガムテープで止められている張り紙を見ると
『この空間は若い女性や子どもたちでにぎわうのどかな街の雰囲気とは違う…完全に外界から隔離された異空間なのだ』ということを改めて思い知らされる。

受付に行く

こちらの店舗は雑居ビルの中の3Fに受付があり、4~7階までが個室のプライベート空間になっているようである。

3Fの受付に行くといきなり扉の横に破廉恥なポーズで股を広げる女性のオモチャや現色カラーのどぎついアナルプラグなどが陳列されていて、むふふ♡な気持ちで来店した客に先制パンチのダイレクトアタックを仕掛けてくる。

なるほど、これが異空間か…まるでエロのテーマパークに来たみたいだぜ…。

すみません、VRやりたいんですけど…

日曜日の昼下がりに来店したのだが、カウンター前にはすでにお気に入りのDVDをかごに入れた男性客が5~6人列をなしていて割と繁盛しているようであった。

客層は30代後半~40代くらいだろうか?もっと年齢層が高いかと思ったが、意外とそうでもないようだ。

筆者も他の客をまねておごそかに列に並ぶ。

カウンターは宝くじ売り場のようなBOX型になっており、店員と目が合わないように配慮されている。

自分の順番になり『すみません、VRやりたいんですけど…』と伝えると、『分かりました!』と元気な声で若いお兄ちゃんが奥からパンフレットを取り出してきた。

こちらがパンフレットである。
どうやらこちらの店舗では2種類のVR機器が用意されているようで、左の2つがPCを介さないVR、右がPC接続型のVRになるようだ。

スタンドアロン機の機材は中国メーカーブランドのスタンドアロン機であるPICO VR、右のPC VRはWindows MRのようだ。

Oculus RiftHTC Viveのようなハイエンドモデルではなく、廉価版のVR機材をレンタルしているようである。

もしかしてスマホVRかな?と思っていたが、一応それなりのVR機材が用意されているみたいだ…。

せっかくならばWindowsMRの方を体験したかったが、残念ながら全て出払っているようで空いているのはスタンドアロン機のPICO VRのみであった。

PICO VRは機材単体のレンタルと、付属オプションのVRサーバー付きのものと2種類選べる仕様になっている。
機材単体だと見れる映像の数35種類と少ないが、VRサーバーとのセットをレンタルすれば1500タイトル以上もの作品が鑑賞できるそうだ。

付属のサーバーが付くだけで見れる作品の桁が段違いすぎるだろ…。

筆者はサーバー付きの機材をレンタルをお願いした。

筆者が機材を借りた後も数名の別の男性客が『VRやりたいんだけど』と店員に声をかける様子が観察でき、そういった様子からもエロVRの需要は高いものであると感じられた。

筆者の後に来た男性はWindowsMRをやりたかったみたいだが、店員が『すみません、今VRの個室満席なんですよぉ~』と答えると男性は『あっそ、じゃあいいわ』とスタスタと店を去っていった。

いざ個室へ

再びエレベーターに乗り、個室ルームへ向かうと、先ほどのアダルトグッズやDVDが所狭しと陳列されていた空間とはガラッと変わり、ちょっとした小奇麗なホテルのような空間に降り立つ。

漫画喫茶とは違い完全に個室部屋になっており、施錠もしっかりしているので安心してプライベートな時間を過ごすことが出来そうだ。

個室ビデオ店始めての洗礼を受けた筆者はここに来て初めて安息を手に入れることが出来た。

PICO VRを設置して遊んでみる

室内はたたみ2畳くらいの広さで前方にTVが設置してあり、ほぼほぼネットカフェと同じような作りになっている。違う所と言えば用意されているティッシュの多さぐらいだろうか…。

それでは受付で貰ったゴーグルの付け方を参考にさっそくPICO VRを起動してみよう。

①個室内デスクの下にある青いLANケーブルをちびファイに挿す

どうやらこちらのVR機器はポケットルータでネットワークに接続するようだ。
TV横下デスクからひょろっと飛び出している青いLANケーブルを引っ張り、『ちびファイ』に挿す。

②ちびファイをテレビの横のコンセントに繋ぐ

すぐ上にコンセントがあるのでそのままズボッと刺すとちびファイの緑色のランプが光る。

③2色ケーブルの頭をコンセントに挿す。

こちらが2色ケーブル。
VRサーバーから伸びているケーブルである。

こちらも先ほどと同様にコンセントにそのまま挿すだけでOK。

つまりコンセントには『ちびファイ』『VRサーバー』の2つがつながっている状態になっていれば大丈夫である。

④オレンジのコードとヘッドフォンのコードをゴーグル下部に挿す。

VRゴーグルをひっくり返すと下の方に穴が開いている部分がある。1つはUSBケーブルが刺さっているので、そちらにはオレンジ色のコードのUSBを指して接続しよう。
もう1つの穴にはヘッドフォンを指せばこれで準備完了である。

いざVRの世界へ!

VR機材を顔に装着して上部の電源ボタンを2秒間長押しすると映像が再生される。
VR機材を外してしまったり、装着しないままボタンを押しても反応しないので必ずつけた状態で操作するのがポイント。

コントローラーは存在せず、機材横にある2つのボタンで操作で画面の操作をするようだ。
上の陰陽マークみたいなボタンがメニュー画面に戻るボタン、下の横長のボタンが決定ボタンである。

首を左右上下に動かすと中央に表示されるポインタも動くので、見たい映像を選んだら決定ボタンをポチ。
そうすると映像が再生されるので後は心行くまで楽しむだけだ。

VRの質は実際どうなん?

とりあえずおススメに上がっていた『耳元囁き小悪魔パンチラ家庭教師と密着生中性教育 皆野あい』を鑑賞した感想を書いていこうと思う。

こちらの作品はピッチピチの洋服を着た家庭教師の女性が優しくお勉強を教えてくれるという作品。
物語重視のシチュエーションものである。

映像が始まると目の前にむっちむちな女性が!!

ち、近い…!!!

360度映像ではなくちゃんと立体映像になっており、『一緒に勉強がんばろうね!』と顔を近づけて覗いてくると『おぉん!?』と声が出てしまう。廉価版VR機器とは言えど、ちゃんとVR特有の立体感は演出されているようだ。

しかし、やはり2020年現時点でのハイエンド機器、Oculus Rift S やVIVE Pro、valveIndexと比べてしまうと解像度は比べ物にならないほど低いのは否めない。

具体的に言うとOculus GOぐらい…、スマートフォンで言うなら初代iPhone、iPhone 3Gで撮った動画くらいの画質だろうか。
上記のハイエンドVRと比べれば解像度の低さは致し方ないが、それでもちゃんと立体映像になっているというだけで感動ものである。

女性家庭教師と同じ部屋の空間に居るのが楽しくて、ついつい部屋の上のエアコンだとか奥にある観葉植物だとか、いろいろなものを見てしまう。

そんな感じで部屋の中をキョロキョロとしてたら突然耳元で女性家庭教師がこう囁くのである。

女性家庭教師『ちょっと~!聞いてるのぉ?』

僕『!?』

な、なぜキョロキョロしているのがバレた!?

…音声も立体音響になっており、女性家庭教師の息遣いやノートをパラリとめくる音、『先生トイレに行ってくるからちゃぁんと勉強しててね♡』と言ってパタパタとスリッパの音を響かせながら遠くに行く音まで、その場にいるかの如く聞こえる。
VR映像も楽しいが、こうした立体音響も合わせるとより没入感が高まるので楽しい。

もちろんえっちちーなビデオなのでその後“夜の特別補習授業”が始まるわけだが、それよりもドラマパートのやりとりの方が楽しくてついつい見入ってしまう。

普段なら飛ばしがちなドラマパートもVRになるとかなりリアリティが上がって没入感が増すようだ。
VR映像はこうしたロールプレイだとかシチュエーションにこだわった作品と非常に相性が良いように感じた。

耳元囁き小悪魔パンチラ家庭教師と密着生中性教育 皆野あい』の作品が気になる方はこちらからどうぞ。

えっちっちー以外の作品も充実

もちろんお店柄アダルト作品のラインナップが多いが、それだけでなくマイナー舞台のVR映像であったり、インディーズ歌手のVRミュージックビデオなどの映像作品もあり、割とバラエティに富んでいるようだった。

しかし舞台のVR映像はどうも劇場自体が暗いためか、きれいに映像が撮れておらず、さらに画質が悪いことも相まって演者の表情や細かい動きなどは正直見づらさを感じた。

アダルト映像ぐらい人物が近づいてくれる映像であれば多少の画質の粗さも許容できるが、遠巻きに人物や景色を撮った映像であるとボヤっとしてしまって立体感が薄れてしまうようだ。

個人的には『エンターテイメントレストラン HeaRTS劇場』のVR作品、メイドさんが目の前でオムライスにケチャップで絵を描いてくれる『萌え萌えオムライス』とホールケーキで誕生日をお祝いしてくれる『ハッピーバースデー』がまるで本当にメイド喫茶に遊びに行っているような体験が出来て非常に楽しかった。

総評ːとりあえずVRを体験してみたいなら行ってみるのはアリ?かも

総評としては現時点でのハイエンド機器と比べると映像の粗さであったり、そもそも3DoF(※1)であったりと物足りなさはあるが、VRとはなんぞや?というのを知りたい人や、立体映像がどんなものなのか雰囲気を味わうのには良いのではないかと思う。

ちなみに店舗にもよるが、男性のみの利用に限らず女性・カップルでの利用もOKな店舗もあるので男女問わず気になる方は足を運ぶといい感じの異世界を探訪出来るかもしれない。
(※1 3DoF…その場にとどまって映像を見るだけのVR。映画館のように一定位置に固定された場所から映像を見るVRで、空間内を自由に歩き回ったり、覗き込んだりすることは出来ない)

もちろん自宅にVR機器を買えば個室ビデオ店に行かなくてもえっちっちーなVR動画が見放題なので、お気に入りの女優とたくさんVRデートをしたい人はVRを購入してみてはいかがだろうか?