パリの巨大地下墓地『カタコンブ・ド・パリ』のVRChatフォトグラメトリワールド

花の都パリ、と言うとオシャレな人々やアート、スイーツなどが頭に思い浮かぶかもしれません。
ですが、そんな華やかなイメージのパリの地下には大量の人骨が埋まっていることをご存じでしょうか。

600万人分もの人骨が埋葬されているパリの巨大地下墓地『カタコンブ・ド・パリ』をフォトグラメトリで再現したワールドがVRChatで公開されています。

パリの巨大地下墓地『カタコンブ・ド・パリ』


海外のVRChatプレイヤー、BillCipher氏が公開したVRChatワールド『カタコンブ・ド・パリ』は、1785年から1814年までの間、遺骨の搬出先として活用されていた巨大地下墓地です。

かつて10世紀初めには、パリ市内に庶民向けの墓地、『サン・イノサン墓地』という場所があったのですが、時代を重ねるごとに遺体の埋葬数が多くなり、近隣住民が異臭で体調を崩すなどの健康被害が問題となりました。

そのため『サン・イノサン墓地』 にある遺体を、採掘場だったカタコンブに移動し、遺体の集積所としました。それが『カタコンブ・ド・パリ』の始まりなのだそうです。


カタコンブ・ド・パリ 』は 観光スポットとしても公開されていますが、そのほとんどは立ち入り禁止区域となっているそうです。

もともと採石場だったこともあり、入り組んだ洞窟のようになっていて、迷い込んだらなかなか出てこれないのだそう。

しかしながら『カタコンブ・ド・パリ』にはたくさんの抜け道があるため、肝試しの感覚で訪れる一般客の侵入が後を絶たないのだとか。


VRChatに公開されている『カタコンブ・ド・パリ』でもその様子が再現されており、人1人分がやっと通れるような細い階段を降りた後、暗い地下通路を探索する構造になっています。

壁は一般客が残した落書きで埋め尽くされていて心霊スポットのような雰囲気。


しばらく行くと脇道に人骨が大量に埋め着くされた空間が現れます。

見上げるほどに積み上げられたこちらの人骨は、サン・イノサン墓地から移された遺骨を記した記念として1787年4月に作られたそうです。

ここだけでも一体何人分の遺体が収骨されているのでしょうか。
とてつもない量に圧倒されてしまいます。


『カタコンブ・ド・パリ』は、場所によっては地盤沈下が起きていてとても危険な場所となっています。

足元もガレキが多く、視界も暗いため、非常に歩きにくい場所です。
1793年にはフィリベ・アスペアという男性がカタコンブの地下を降りて行ったが最期、消息を絶ち、以降生きて出てくることはありませんでした。

彼は11年後に遺体で発見されるのですが、それ以降毎年11月3日には彼の霊が『カタコンブ・ド・パリ』 を訪れた観光客の前に現れるのだそうです。


流石にバーチャルの世界にまでは化けて出てくることは無いと思いますが、VRChatでも訪れる際は念のため注意をしておいた方がよさそうです。

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