※本記事は「ClusTimes」に2023年11月25日に掲載された記事の二次転載です。
2023年11月25日(土)開催のイベント「第2回メタリア総合文化祭」実行委員長・津田大河(つだ・たいが)さんへ、イベント開催の経緯や制作過程の裏側についてインタビューを行いました。
イベント概要
実行委員長の津田大河さんへインタビュー!
――メタリア総合文化祭とは何ですか?
メタリア総合文化祭は、メタバースとリアルで同時に開催する、2つの世界を結ぶ文化祭です。メタバースとリアルを繋ぐイベントという意味で「メタリア」と名付けました。
――どのようにしてメタリア総合文化祭のアイデアが生まれたのですか?
山口県を拠点に「さくら芸術文化会」という団体で吹奏楽を始めとする音楽や文化・芸術・教育活動等を行っていましたが、コロナ禍を経てその活動が縮小に向かっていたところ、clusterに出会いました。はじめに「Cluster民生涯学習プラザ」というワールドを作り、そこで音楽講座や作曲講座をやり始めました。
(ClusTimes関連記事:「clusterで音楽講座!たいがさんインタビュー」)
そして去年、「クラスタージャックサーキット(通称CJC)」というclusterの一般ユーザー主催のフェスイベントに参加しました。色々な人がCJCを楽しんでいる様子を見て、一般ユーザーが主体となって、既存のユーザーもそうでない人も巻き込むような大規模かつ複合的なイベントを私もやりたいと考えました。それで、すでに作ってある「Cluster民生涯学習プラザ」をメタバース会場として使い、さらに地域振興の一環としてリアルでも同時に開催する総合文化祭をやったら面白いんじゃないかと思い立ちました。
――リアルとメタバースとの連携は、どのように行ったのですか?
リアルでの展示など公共の場所を利用するには申請が必要で、団体の所在地などを提出しなければいけませんでした。もちろん「cluster生涯学習プラザ」はメタバース上のワールドなので、住所はありません。そこで、「さくら芸術文化会」がその役割を担いました。
また、地域振興を目的とした展示物を取り扱うにあたって、自治体の情報発信や画像などの利用許可について自治体の広報の方に直接会って相談しました。するとその方も偶然clusterユーザーで、メタバースに興味をお持ちだったので理解を示していただけて、自治体情報や画像の使用についての了承を得ることができました。
――昨年、メタリア総合文化祭の第1回目を開催されたと思いますが、初めのメンバーをどのように集めましたか?
最初に、よく行く場所で知り合った仲間やメタジャック(clusterユーザー有志の音楽バンド)のメンバー、イベントに参加している方々に声をかけていきました。それから、普段は関わりがあまりなかった他のコミュニティからも人を巻き込んでいくよう心がけました。
ステージ発表や展示など各分野ごとに必要な人材を揃えるために、音楽系、美術系、広報などの分野でそれぞれ得意な人たちを集めました。結果的に、30人ほどが初期メンバーとして集まりました。今年はイベントに関わるメンバーがさらに増えて、演者やスタッフ含め100人を超える規模になっています。
――すごいですね! 実際に開催してみて、何か反響や手応えはありましたか?
はい。累計来場者数2,000人を超える大盛況となりました。「文化祭をきっかけに新規でclusterに登録した来場者がいた」という嬉しい報告もあり、clusterを盛り上げる一助になれたと思います。clusterを知らなかった人たちが文化祭での体験を通して、clusterで活動する方々のことやメタバースのことを知るきっかけとなればいいなと思っています。
また、市役所前の交差点に設置されている街頭モニターに文化祭の広告画像を放映したり、PR活動としてテーマソング制作を行い、JOYSOUNDにて配信し実際のカラオケ店で歌えるようにしたりと、メタバースでの活動がメタバースだけに留まるのではなく、リアルにも広げていけるんだという新たな可能性を示すことができました。
メタリア総合文化祭は一般ユーザーの非営利な個人的活動ではありますが、地域振興の一環ということで自治体からの期待も高く、去年の成功を受けて「どんどんやってください」というような前向きな意見もいただいています。
――各コンテンツについてお聞きします。ご当地キャラクター「せきまる」の二次創作イラストコンテストには、どれくらいの応募があったのですか?
約30件ほどの応募がありました。実行委員会による一次審査後、二次審査として一般の方々にも参加してもらえるようにリアルでも展示と投票を行い、その中から10作品が受賞作品として選ばれました。一次審査通過作品は、リアル会場とメタバース会場に展示します。
※第2回メタリア総合文化祭イラストコンテスト詳細は下記URLをご覧ください。
https://www.sakura-art.com/metareafes/illustcontest
――今年新たに実施する「シティプロモーションサミット」とは何ですか?
下関市広報戦略課の永冨氏、美祢市地域振興課の北尾氏の2名の市役所職員とメタバースで活動するユーザーから元地域おこし協力隊のかわしぃ氏、青翔開智中・高校社会科教諭のアフロッティ氏、ゲームライターのでんこ(MC)の3名を合わせた5名+来場者全員で今回参加の3市のプロモーションとメタバースを活用した地域振興について考えます。
登壇者だけでなく来場者もコメントなどで一緒になってアイデアを出し合い、地域振興について考える場を提供したいと思い企画しました。文化祭はみんなで参加するものなので、イベントに来場してくれた人たちがただ見学するだけでなくアクティブに体験・参加できるように工夫しています。
――今年のテーマソングについて教えてください。
瀬戸内海の街を舞台に、イベントの一体感を生むようなアニソン調でキラキラとした雰囲気を目指しました。歌唱は、文化祭PR大使としてVTuberの警戒ブロオドキャストCHERRYを起用しました。
実はこのテーマソングは吹奏楽用の楽譜も制作してあって、みんなで演奏した「バーチャル合奏」バージョンを文化祭のアフタームービーなどで使いたいなと考えています。また、今後は吹奏楽団との協力でリアルな会場でのライブ演奏なども計画しています。
――イベントの準備はどれくらいの期間かかりましたか?
第1回の時は約半年でしたが、今年は第1回が終わって去年12月くらいからすぐ準備を始めたので、11か月間の準備期間となりました。clusterだけで開催するなら1~2か月前の準備でも十分だと思うんですが、リアルの会場は申請を出す関係上何か月も前から準備しなくてはいけないので、clusterとのスピード感の違いがありスケジュールの調整が難しいんです。
実はもう来年のイベントのために既にリアルのホール会場を押さえてあるので、来年は1年以上かけて準備することになります。もはや準備期間というよりほぼメタリア総合文化祭のために生きてるみたいなかんじですね。(笑)
――反省点や今後の課題などはありますか?
昨年は「実行委員が忙しすぎる」という点が問題でした。イベント全体の時間が13時間と長時間にわたり、集合時間も朝早かったので、結果として参加者の中に体調不良者が出てしまいました。
今年も企画が多岐にわたっているため、忙しい状況になってしまっているのは変わりないのですが、ワールド担当者、ステージ係、アバター展示係、広報係、撮影係とそれぞれ割り振って進行管理を行うよう改善したので、一人一人の負担が分散し、役割がはっきりしたことでトラブル時に誰に聞いたらいいかというのがクリアになった点は良かったなと思います。
将来私は実行委員長からは退いて、新しい世代が主体となって文化祭を引き継いでくれれば嬉しいなという希望もひそかに持っています。
――津田さん、インタビューにお答えいただきありがとうございました!
取材協力(敬称略)
メタリア総合文化祭実行委員長
津田大河
アーティスト名:YoJi no Oto (ヨジノオト)
メタリア総合文化祭広報係・Cluster新聞部編集キャップ
でんこ
記事転載元:メタバースとリアルを繋ぐ文化祭「第2回メタリア総合文化祭」実行委員長・津田大河さんへ独占インタビュー!(ClusTimes)
(転載元記事執筆:紅花/Koka)
記事中の情報はすべて転載元記事執筆当時の情報です。
【バチャマガ追記】次回開催に向け進行中!
第2回メタリア総合文化祭はすでに終了していますが、第3回の開催に向け進行中とのこと。次回の開催も楽しみですね。
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▼イベント名
第2回メタリア総合文化祭
▼各プログラム内容およびイベントURLは下記よりご確認ください
第2回メタリア総合文化祭公式サイト https://www.sakura-art.com/metareafes
メタリア総合文化祭実行委員会公式X(旧Twitter) https://twitter.com/metareafes
▼場所
【メタバース会場】
メタバースプラットフォーム「cluster」内投稿ワールド4会場
Cluster 民生涯学習プラザ/バーチャルエントランス@下関市役所(制作:津田大河)
Deep Lobby(制作:わんぱく)/VR ようせいきょう なかよしパーク(制作:アキラックス)
【リアル会場】
下関市生涯学習プラザ 宙のホール 他諸室(山口県下関市細江町3-1-1)
▼日時
2023年11月25日(土)
【メタバース会場】9:00開場 10:00~22:00
【リアル会場】9:30開場 10:00~18:00