72時間 仮想現実で過ごした男 ~3日間VR空間で過ごすと人はどうなるのか~

2020年2月21日~24日。
72時間をVRChatで過ごすという壮大なチャレンジに挑戦した男が居た。
VR研究家「ラック」。
そんな彼の体験を特別取材した映像が上記のインタビュー動画である。

3日間VR空間で過ごすと人はどうなるのか ~実験概要~

・実験期間は日本標準時(JST) 2020/02/21 21:00:00~2020/02/24 21:00:00まで

・ギネス記録に従い、1時間に5分、食事、トイレ等の休憩を行っても良いという形で行う

・食事、水分補給等はカロリーメイト・ポカリスエットで行う

・ギネス記録は睡眠をせずに連続でVRコンテンツをプレイし続けるという物だったが、今回はVR内で普通に寝る事とする

【実験概要詳細】 https://note.com/luck_researcher/n/n4f51057f0111

72時間VR空間で過ごしたことによる身体変化

これまでのVR最長連続プレイ時間、ギネス記録では1時間ごとに5分の休憩を挟むという条件の元達成された記録が50時間であるが、今回の実験はそれを大きく上回る72時間で行われた。

実験を振り返り、ラック氏が今回の実験で一番つらかったのが『肩こり』だという。
また、HMDを長時間つけていると顔に圧迫感があるのでそれもつらい所であったという。
現状のHMDの重さは(Oculusシリーズで比較すると)一番軽いものでもOculus Goの468gなので、ペットボトル1本分の重さが頭にのしかかることになってしまう。
重さに関して単純な重さと言うよりもHMD自体の付け心地にも大きく左右されるが、長時間の着用は疲労感が出るようである。
今後HMDの開発が進み、軽量化されることでこういった問題はおのずと解決されていくであろうが、現状のデバイスではやはり3日間という長時間着用に関して負担は避けられないことが分かった。

実験を通して感じた事

意外だったのが眼精疲労が少なかったことであるという。
眼精疲労については実験スタート前からの懸念であったが実験開始から終了まで問題なく過ごせたという。

また、VR空間で過ごすことの最大の敵は『退屈』であったという。
イベントが閑散としている日中の時間帯は釣りワールドで1人で釣りをしたり、景色の綺麗なワールドを散策したりなどで時間を潰していたが、やはり1人で行動していると退屈さを強く感じてしまうようであった。

そんな中、日中開催しているイベントの存在はありがたく感じたと同時に、日中でも時間を指定して告知をしていれば人が集まるのだなという知見も得られたという。

またこれは実験終了後に気づいた事であるが、言語の壁はあるにしろ時差の存在を利用して海外コミュニティに顔を出せば1日中人の多い空間で過ごすことが出来るので、そういった点を考慮して活動していたらもう少し退屈さを紛らわせたかもしれないとの事であった。

実験終了後、現実世界に戻ってきて気づいた事

3日間の実験を終えて現実世界に戻ってきたときに一番に感じた事は『常に人がいることが新鮮』であったという。仮想空間そのものの人口が現実と比べて少ないのもあるだろうが、VR空間(VRChat)だとフレンドオンリーやインバイト+などのクローズドのコミュニティで過ごす人も多く、人と接する機会が現実と比べ希薄であった。

また、逐一現実と仮想世界を比較するようになったというのも大きな変化であったという。
ここまでだったら現実世界じゃないと出来ないが、ここから先は仮想現実で出来る…といった思考が頭の中に浮かんでくるそうであった。
また、ラック氏個人の意見ではあるが、現実世界と比べ仮想世界の方が面白いなと感じたという。
とはいえ現実世界も視野角が広い点や風景の色合いなど優れた面も多く、現実世界と仮想世界は使い分けであるという事を体感したという。

改めて考える、VR空間とは…

一般家庭用のVR機器が普及したとはいえ、まだ身近とは言い切れないVRの世界。
しかしVR空間は特別なものではなく、例えるならばまるで近所の公園や酒場に行くかのような感覚で誰かと遊んだり話したりすることが出来る、身近で素敵な世界なのである。

この記事を見ている貴方も是非我々の世界に遊びに来て頂きたい。
そこにはきっと日常の延長の、少し変わった面白い体験が待ち受けているだろう。

追記ː次回の実験企画 ~1週間VR体験実験~

今回は3日間記録の結果をレポートしたが、
ラック氏の体を張った実験企画はまだまだ続いている…!

次回は『72時間VR体験実験』を更に長くした168時間、『1週間VR体験実験』を行う予定である。
『1週間VR体験実験』ではアバターによる認識の違いや肉体との乖離現象をより明確にするため、普段使用しているアバターではなく美少女アバターを使用して実験に臨む予定だ

実験に関する呟きは「 #1週間VR体験実験 」のハッシュタグを付けて行う。
長期実験を行う際、なるべく食料のバリエーションを増やし、ストレスを抱えないようにするため、食品・飲料の研究協力物資を募集している。
VRHMDを被っていても食べるのに苦労しない物、利尿作用の少ない飲料等、詳細はラック氏のnoteにて確認して頂きたい。

『1週間VR体験実験 概要』https://note.com/luck_researcher/n/n41b9d5749d20

協力物資を送ってくれた方は実験終了後レポート記事内にて名前、TwitterID、送ってくれた支援物資、コメント等を記載させて頂きたいと思います(発送者が分からない場合、申し訳ありませんが送られてきたという記載のみになります

投稿者プロフィール

みつあみ やぎこ
みつあみ やぎこバーチャルライフマガジン元編集長
やぎこだよっ!バーチャルの楽しいことたくさん発信していくよ!