昨今の情勢下に置いて全国で大きく影響を受けたイベントといえば密閉空間となるライブハウスや密集空間となるフェス・ステージなど、音楽イベントも例として挙げられるでしょう。そこで今回はVRChatで楽しめる音楽系ライブイベントと注目のアーティストを取り上げてみたいと思います!
目次
VRの中でライブを楽しめる空間がある!
VR空間には多くのライブ系音楽イベントがあります。例えばClusterではくらげビートやmemex Serial live experiments、VirtualCastではMIKULANDなど、VTuberさんから企業や現実世界のバンドまでも巻き込んだライブ系音楽イベントが日々開催されています。
VRChatもその限りではなく、今では平日もほぼ毎日のように生演奏イベントが開催されており、多くのイベントで歌、ピアノやギター、あるいは弾き語り、バンド演奏などが披露されています。いずれのプラットフォームでもステージ上の演者と同じワールドでリアルタイムに双方向でコミュニケーションが取れ、現実のライブに似た臨場感を味わえるイベントが多くなってきました。
とはいえ、これらのイベントはやはり音楽が好きで、自ら情報を見て来た人たちが集まっている場合が多く、音楽はよく聴くけどあまりイベントには行ったことないな~とか、音楽イベント気になってるけど実際どうやって行ったらいいの?というVR音楽イベント初心者の方を見かけることも少なくありません。そんな方たちに向けて、おすすめのVRChatでのライブイベントとライブアーティストを紹介していこうと思います!
初心者にもおすすめの音楽イベント!
VRChatの音楽イベントと一言に言っても、定期開催のものと不定期開催のもの、ステージの演者が自由参加のものとそうでないものなど、多くのイベントがあります。
定期開催のものは毎週、ふぁんほーむセッション(水曜22~24時)、木or金曜日のCipher Communication Circle(C3)主催サイファーイベント、ねこのおと(金曜22時~)、Open Mic Bar-Spot Light Talks-(土曜22時半~)、題名のないお茶会(日曜14時半~)、玉響(日曜21時~)などがあります。
また、不定期開催のものではワールドとイベント主体が同じのMusic Bar PHAROS、Bar NadePlus、魔族Bar Abyss、キムチ鍋公民館、CLUB RUINS、ワールドとイベント主体が異なるイベントも行われるV-kitazawa AWAKEとClub Refrainなどがあります。
これらのイベントの中から、特に初心者におすすめのイベントを3つ、紹介してみようと思います
Open Mic Bar -Spot Light Talks-
VRChatの外へのメディア露出も多いOpen Mic Bar -Spot Light Talks-(以下SLT)は名前を聞いたことのある方も多いでしょう。こちらのイベントは毎週土曜日の夜22時半から店長のAONEKO(青猫)さんのFriend+で開かれており、その場にいる人たちと会話を楽しみながら、ステージ上のアーティストの演奏や歌を聴けるイベントとなっています。ステージに立つアーティストは週替わりで、特定のアーティストに偏らないように、また様々なジャンルを楽しめるように、Discordに公開されているエントリーリストで管理されています。最近話題のVRバンドPHAZEやVirtual音楽ユニットYSSの結成の発端となったのもこのSLTのステージで、VRC音楽勢の登竜門とも呼べるイベントとなっています。
SLTは定期イベントでありながら、店員が曲の雰囲気に合わせて照明を操作するなどライブステージとしての一面もあり、不定期でコンセプトの決まった大型イベントが企画されることもあります。SLTには多くのアーティストが交流のために集い、時には豪華メンバーによる即興バンドであったり、その場でしか聞けないジャズセッションであったり、今ここにいる人だけにしか聞かれないのがもったいない!というくらいの演奏もあったりします。
SLTに行くには、時間になったら店長のAONEKOさんにJoinすると確実ですが、Friend+なのでSLTにいるフレンドにJoinする形でも参加できます。また、アーティストとしてSLTのステージにエントリーするにはSLT公式のDiscordにリンクとして貼られているGoogleのスプレッドシートに記入する必要があります。もし週末に音楽を聴きたくなったら、もしあなたの家に楽器があるなら、ぜひSLTへ行ってみてください。
題名のないお茶会
週末の音楽イベントとして最近参加者の多いイベントでは、題名のないお茶会(以下お茶会)というのもあります。こちらは音楽イベントに定番のTopazchatを使わず、Questユーザーの方でも音楽イベントを楽しめるイベントとなっています。主催は”あの子゜”さんで、毎週日曜日の14時半からFriend+で開かれており、特に隔月第三日曜日は普段のお茶会より少しかしこまった形の演奏会が行われています。
普段のお茶会はQuestユーザーの負荷軽減のためにインスタンスを複数に分け、さらにその各インスタンスのあちこちで参加者がVRChatのボイスから楽器演奏の音を流しています。演奏者の方も好きな時に参加して、好きなように楽器の練習ができ、場合によってはYAMAHAのSYNCROOMを用いたセッションの音をボイスから流している場合もあります。最近ではQuestでも様々なジャンルの音楽を楽しめるよう、VRChatイベントの名曲喫茶華麗堂やQuestマッチョ部、VRアイドルのLPK48さんや茄子坂46さんとコラボされたイベントもありました。
また、お茶会の開催されるワールドはTopazchatの設置の制約を受けないため、毎週異なったワールドで開催されており、音楽を聴くだけでなく、見ることでも楽しめる一面もあります。音楽を聞きに行くもよし、演奏をするもよし、見て楽しむもよし、日曜の昼間という時間帯も相まって、数ある音楽イベントの中でもかなり参加しやすいイベントだと思います。VRChatの音楽イベントってQuestユーザーは参加できないんでしょ…?と思っていた方にも是非参加していただきたいイベントです。お茶会に参加するには、主催の「あの子゜」さんにFriendを送り、時間になったら参加するか、もしくはFriend+で開かれているため、お茶会にいるフレンドにJoinする形でも参加できます。
題名のないお茶会公式YouTube:題名のないお茶会
題名のないお茶会公式Twitter:@ochakai_vrc
V-kitazawa AWAKE
V-kitazawa AWAKE(以下AWAKE)はVRChat上に存在するライブハウスであり、定期開催ではないものの月に2,3回ほどイベントが開かれている音楽ワールドです。店長はポピー横丁でお馴染みのコクリコさん、オーナーはJohnny HenryのJohnny YAMADAさんとなっており、他に配信スタッフや照明スタッフなどもいる本格的なVRライブハウスです。開催されるイベントは多岐にわたり、音楽イベントの他にお笑いライブなども開催されたことがあります。AWAKEの運営方式は現実のライブハウスにも似ており、オーナーが自身で企画したイベントの他に、アーティストやイベンターによる持ち込みの企画があります。
なんといってもAWAKEの特徴として挙げられるのが、人力のリアルタイム照明システムと、ありとあらゆるアーティストに対応したステージのギミックの数々です。AWAKEのリアルタイム照明システムは曲や会場の雰囲気に合わせてスタッフがリアルタイムで色やコントラストを調整しているほか、ジャズライブ等でのソロパートで特定のアーティストにスポットライトを当てるなどの、複雑な操作が行われています。また、あらゆるアーティストに対応したステージギミックでは、低身長アバターのアーティスト向けのロリコライダーの他、現実世界のアーティストやバンドをVRのステージに呼ぶことができる透過スクリーンがあります。実際、VR JUNCTIONやAWAKE24ではこの透過スクリーンを用いて呆(Akire)さん(ボカロP)と初音ミクがステージに上がるなど、VRライブの新しい技術や表現方法の生まれる場所にもなっています。加えて、AWAKEは現実のライブハウスに似た構造となっているため、観客としても現実のライブハウスに似た臨場感を味わえるワールドとなっています。
AWAKEで開催予定のイベントは現時点ではありませんが、AWAKEのイベントはJoin先やJoin方法がイベントごとに異なるため、AWAKEの公式Twitterをフォローしておくと確認がしやすく、最新情報のチェックもできます。現実世界ではライブハウスにしばらく行っていないという方も多いと思いますが、その臨場感をVR世界でも味わえる、V-kitazawa AWAKEでイベントが開催された際にはぜひ足を運んでみてください!
V-kitazawa AWAKE公式Twitter:@AWAKEVRC
注目の「ライブ」アーティスト
VRライブハウスやVRライブイベントが多くなってきた背景には、ライブを行うアーティストが多くなってきたことがあげられます。バーチャルライフマガジンでも「Vアーティスト特集」として定期的に特集され、AMOKAさんやJohnny Henryさん、Ku_Ambientflowさんなどはご存知の方も多いでしょう。
とはいえ、数えきれないくらいのアーティストがいるVRC音楽勢では、どのグループから聞いたり見たりすればいいのかわからない方も多いと思います。先ほど例に挙げたAMOKA、Johnny Henry、Ku_Ambientflowさんのほか、最近話題のYSSやPHAZE、VRCでは初期の頃からライブをしていた八月二雪さんやmemexさん、VTuberの活動の中でVRChatを用いているろい(loy)さんや奏音リリィさん…。
筆者としておすすめしたいアーティストは他にも山ほどいるのですが、その中でも特に「ライブ」での体験が印象に残るアーティスト4組を紹介してみたいと思います。
93poetry
ライブといえば記憶に新しいのが93poetryさんによるソロライブ「コトバノチカラ」。ろいさんの「Vソニ」の企画内で開催されたイベントですが、SLTの青猫さんにより製作されたステージと演出の下に、オープニングゲストとして海崎マノンさんを迎え、素晴らしいライブが行われました。
93poetryさんの曲は「ポエトリーリーディング」と呼ばれる、トラックに合わせて詩を朗読するもので、ライブではステージに合わせたアドリブが加えられるなどのパフォーマンス性もあります。先に紹介したSLTのステージに上がることもあり、その際は自身のオリジナル曲に加えて、観客から貰った題でトラックに合わせて即興詩を作ったり、セッションに合わせたりするなど、その場でしか紡がれない詩があることもまた93poetry氏の魅力の一つです。
心に響く楽曲を数多く持つ93poetryさんの曲はライブでより一層心に届き、多くの人々を魅了します。実は11月6日から開催のMusicVket3でも93poetryさんのブースがForte redに出展されており、新譜「おしらせ」が頒布されていますので、気になった方はこの際に是非彼の温もりある歌を聞いてみてください。
不眠症女
次に紹介するのはバーチャルインソムニアポストロックバンド不眠症女、ギターボーカルのフレアスカーレット、ギターのレヴィアス、ドラムのやまみー、ベースのおとうとの4人からなるオーソドックスな4ピースロックバンドです。実はオーソドックスなVRロックバンドとしては不眠症女が初めてで、オリジナル曲はロックながらも少し渋めで落ち着いた独特な曲調です。
また、多くのVRバンドではVRコントローラーやトラッカーの観点からフルトラッキングでの激しい動きを伴った楽器演奏はなかなか難しいのですが、不眠症女ではギターの二人とドラマーがフルトラで演奏を行っているなど、ライブでの実在感は他のバンドにも勝るとも劣らないパフォーマンス性を持ちます。不眠症女の予定として決まっているライブはないそうですが、MusicVket3のForte pinkにブースが出展されています!。新譜は無いそうですが、この際にぜひ一度聞いてみてください!
不眠症女公式Twitter:@fumingshoujo
不眠症女公式Booth:不眠症女
PRA-LiNÉ(ぷらりね)
少しアングラなバンドを紹介したあとは明るくポップなアイドルバンドPRA-LiNÉを紹介したいと思います。メンバーはギターボーカルのりんちゃん、ベースボーカルのなかにゃん、ドラムボーカルのもものきももの3人で、なんと全員が演奏とボーカルを兼ねる才能あふれる3ピースバンドです。ドラムとベースとギターというシンプルな構成で奏でられるのはキャッチ―でキュートだけどロックな、まさにガールズバンドを思い起させるオリジナル曲の数々。
ライブでももちろん盛り上がる曲の数々ですが、PRA-LiNÉのライブは曲の合間に挟まれるMCにもぜひ注目してほしいです。PRA-LiNÉのMCはガールズバンド独特の、ゆるくて少したどたどしいけど愛されるような、そんなかわいい空気感で、PRA-LiNÉの流れに引き込まれること間違いなし!。そんなMCと曲の完成度やかっこよさとのギャップにもまた PRA-LiNÉの魅力が詰まっていると思います。ライブイベントへの出演回数はまだ少ないですが、そんなかわいいPRA-LiNÉから今後も目が離せません!
PRA-LiNÉ公式Twitter:@praline_vr
PRA-LiNÉ公式グッズショップ(SUZURI):PRA-LiNE
Suc×Suquel。(しゅくしゅくえぃる)
最後はみんな大好きなかわいいVRCアイドルからSuc×Suquel。を紹介したいと思います。メンバーはアラモードグリーンのキャラメル・ミーさんとタルトオレンジの緋の粉さんのお二人です。もっとも、VRCで活動しているアイドルグループはLPK48さんやSEISO NO OWARIさん、Summer Sweetさんなど他にもおられますが、Suc×Suquel。さんは”複数のオリジナル曲を”、”二人で息を合わせ”「歌いながら」「踊る」という、現実のアイドルさながらのライブを披露されることが他のアイドルグループと大きく異なる点かと思います。「しゅくしゅくえぃる!!」でコールを入れ、「サマーサマーえすてぃばー」でタオルを振り回し、観客もアイドルと一緒に盛り上がれるVRアイドルとして、Suc×Suquel。を超えるエンターテイメント性を持つグループはなかなかいないと思っています。
Suc×Suquel。のすごいところはほかにもあり、それはほぼ週一で行われる高頻度のライブイベントと、そのアフターイベントとして開かれる囲み撮影会や個人撮影会です。ライブ1回約30~45分、歌は3~5曲程度とはいえ、歌いながら踊り、MCもあるライブを週1でやり続けるSuc×Suquel。のスタミナはものすごいもの。アイドルらしく囲み撮影や個人撮影の時間も取られているのが、出会えるアイドルとしての存在価値も高めています。そんなSuc×Suquel。もMusicVket3 Forte green 10に出展!。ようやく音源が手元で聴けるようになるのがうれしいですね!。笑顔も涙もかき混ぜちゃうハッピースイートアイドルSuc×Suquel。の今後の活動にも期待です!
Suc×Suquel。公式YouTube:Suc×Suquel。(しゅくしゅくえぃる)
Suc×Suquel。公式Twitter:@Suc_Suquel
Suc×Suquel。Booth(緋の粉):ひのこっくす
Suc×Suquel。Booth(キャラメル・ミー):11月の焦がし砂糖
最後に
皆さんいかがでしたでしょうか。最近にわかに盛り上がっているVRCのライブイベントやアーティストに少しでも興味を持っていただけたなら幸いです。
そして、もしイベントに通うようになったり、アーティスト・曲の感想をTwitterにつぶやいたりするようになったら、あなたも立派なVRC音楽リスナーです。もちろんクリエイターとしての楽しみも多いVRChatですが、たまには音楽を聴くリスナーという立場になってゆったり身を任せてみてもいいのではないでしょうか。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
Open Mic Bar -Spot Light Talks-公式YouTube:VR SpotLightTalks
Open Mic Bar -Spot Light Talks-公式Twitter:@VR_SLT
Open Mic Bar -Spot Light Talks-Booth(AONEKO):AONEKO SLT